「宮廷女官チャングムの誓い~大長今~完全版」第六回の感想

「宮廷女官チャングムの誓い~大長今~完全版」第六回を見た。

http://www3.nhk.or.jp/kaigai/chikai/story/story_06.html


あのかわいいちびっこのチャングムやヨンセンたちが、すっかりきれいな娘さんになっている。チョバンねえさんも、きれいな、そして、さらに迫力あるこわいおねえさまになっている。チェ尚宮がチョバンを助手にして、年長のセンガクシ達の服装検査。水剌間で働く宮女達が、髪の毛が落ちないようにきちんとくくってあるか、服の紐が解けないようにきちんと結んであるか、手はきれいか、検査されるのはあたりまえ。

余談だが、確か、シャルル=ボワイエだかが主人公のむかしのフランスの映画でも、高級レストランで仕事の前に支配人が給仕達の服装検査をしていて、彼ら彼女達は皆、両手を前に差し出して、手がきれいかどうか、見て貰っていたものだ。基本なんだね。

チェ尚宮が検査して、きちんとしていないセンガクシは、チョバンねえさんに鞭で手を叩かれる。チャンイもヨンセンも不合格。しかし、チャングムは、すべて、きちんとしていた。さすがに優秀だ。

そう、チャングムは優秀で、ハン尚宮の躾けも厳しいから、仕事はきっちりこなすのだ。しかし、天才の悲しさで、そしてハン尚宮の指導の賜物で、研究熱心だから、困るのだ。


チェ尚宮「昨日の夜、台所をあのように荒らしたのは、一体誰です。竈に火を炊いて、そこらじゅうを焦がしたのは、だあれ。素直に名乗り出なさい」

チャングム「チョン、ニダ(わたくしでございます)」

チェ尚宮「チャングムか。何をしていたの」

チャングム「料理には、何の薪がいいのか、ためしていたんです。くぬぎ、けやき、きり、えのき、まつ、ごようまつ、それと竹を燃やしてみたんです」

チェ尚宮「なんという愚かなことを。料理にはくぬぎとけやきに決まっているではないか」

チャングム「存知ております。でも、他の薪を使うとどうなるのか、知りたくて」

チェ尚宮「では、釜に汲み置いた水を全部煮詰めてしまったのもおまえか」

チャングム「はい。弱火だと、どれぐらいの時間で煮詰まるのか、ためしてみたんです」

チェ尚宮「松毬がたくさんいるからと、こどもたちを木に登らせたのも、おまえなのね」

チャングム「はい」


チェ尚宮はもうチョバンに任せておけずに、手ずから鞭を取ってチャングムの手を叩く。


チェ尚宮「きょうからまた十日間、こどもたちと洗い物をしなさい」



「また」というからには、「また」やったということなのだ。前から、あれこれの実験を、何ぼ叱られても懲りずに、度し難く、繰り返し、やってるのだ。

だからまた叱られてるわというように、ヨンノが、ざまあみろという目つきでほくそえみ、クミョンが心配そうに眉を曇らせる。

チャングムが洗い物に行くと幼いセンガクシたちまでが、「おねえさん、またぁ?」と言う。

研究熱心なチャングムはいつまでたっても世の中のことに疎く、幼いセンガクシ達のほうがよっぽど宮中という「世間」を知っている。彼女達から、公主様が御飯を召し上がらないので、王様がたいへん心配し、水剌間では公主のために特別に料理を作ることになったが、まあ

そこまではチャングムも知っていたのだが、それが今度、チェ尚宮がクミョンを助手にすることになったのだ、という話を聞いた。


クミョンは、第五回まではチャングムより二つか三つ年上の先輩だったのだが、第六回からは同期の同輩になっている。


チャングムが洗い物を終えて水剌間に行くと、チェ尚宮とクミョンが特別な料理を作っているのを、尚宮達も内人達も年長のセンガクシ達も見学していた。ヨンセンがチャングムを見つけてそばに呼んだ。チェ尚宮が今のチョン最高尚宮の前のチェ最高尚宮から教わった秘伝の味付けで料理を作るそうだ、という。

チェ尚宮とクミョンが野菜を刻み、卵をとき、チェ一族に伝わる秘伝の味の薬味を入れて鍋を火にかけた後、チョバンねえさんがクミョンに、さっき入れた秘伝の味とは何の薬味かきく。しかし、なにしろ秘伝だから、クミョンは、わたしも知らないわ、というだけである。チョバンは生意気な子だといって舌打ちし、ヨンセンも、ちぇ、えらそうに、と言う。チャングムはただ興味深そうに見ている。


公主の御殿には、心配して、中宗、中殿(文定王后とは別の人)、大妃、ノ尚宮、女官長、スバル尚宮、内侍府の長官が集まっていた。公主は何日も御飯を食べていないのでからだが弱って横になっている。そばに公主の侍女の尚宮がいる。そこへ、水剌間の最高尚宮とチェ尚宮が御膳を持ってやってきた。公主が料理を一口食べると、一堂、喜んだ。しかし二口目には顔を顰め、結局、また横になってしまった。

大妃は最高尚宮を叱り、王も不満そうにうなり、中殿もにらみつける。

水剌間に戻ったチェ尚宮は、クミョンに、もっと香辛料を効かせてみよう、と言う。クミョンは、香辛料は一時的な効果しかない、と言うが、チェ尚宮は、一時的でもそれで食欲が戻れば、またもっと御飯を食べられるようになる、とにかく、食事を摂れるようにしなければならない、と言った。そして、一番古い味噌をとってくるように、と命じた。

味噌や醤油や酢の入った甕がたくさん置いてある所で、チャングムが、一つ一つの甕の中身を味見しては、なにやらぶつぶつ言っている。

そこへやって来たクミョン。何をしているのかと質問する。チャングムは、いろんなものに炭を入れたら味や匂いがどう変わるかを確かめている、と答えた。まったく、そんなだからまたチェ尚宮様に叱られるのよ、と苦笑いするクミョン。そのとおり、と照れ笑いするチャングム。クミョンも味見をしてみた。酢や味噌はそれほどでもないが、醤油は余計な臭みが取れておいしくなっていた。

そこでクミョンは何ごとかを思いつき、急いで水剌間に取って返した。

水剌間では、チョン最高尚宮が、チェ尚宮、ハン尚宮、ミン尚宮に、それぞれ、違った種類の料理を公主のために作るように指示していた。この三人三様の指示を出す場面は吹き替え版ではカットされていた。

そこへ更に大殿別監のユンマッケがやって来て、王も中殿も大妃も、公主が食事を摂るまで自分達も食事はいらないと言い出した、と告げた。ますますたいへんなことになった、こうなったら食事の時間でなくとも料理が出来次第、公主様にお出しするように、と最高尚宮が命じ、三人の尚宮達はそれぞれの料理に取り掛かるために散って行った。

クミョンはチェ尚宮のいる厨房に行き、今度は自分に公主様のための料理を作らせて欲しいと頼んだ。何か妙案があるの、ときくチェ尚宮に、クミョンは自信を持って肯いた。

再びチョン最高尚宮とチェ尚宮が公主の御殿に御膳を持って行くと、王族の人々はいなかったが内侍府の長官と女官長がいた。チェ尚宮が出した御膳は、ただの白いお粥だった。長官も女官長も、これが公主のために特別に作った料理なのかと怒り、作り直して来いと命じる。

ところが公主は、お粥を食べ始めて、途中で嫌な顔もせず、食が進んだ。お付きの尚宮は喜び、長官と女官長は驚く。公主は、このお粥なら食べられます、と言う。皆、公主がどうして御飯を召し上がらないかわからなくて心配したのですよ、と長官が言うと、公主は、この御飯には、匂いが無いから、食べられました、と言う。

それでチョン最高尚宮が、ああ、と言う。女官長の質問に答えて、ことしの梅雨の長雨で米蔵が水に浸かり、米に臭いがついてしまった。

といっても、通常、おとなは気づかない程度のものだったが、公主は若くて感覚が鋭敏なので鼻についたのだろう、というのだった。長官が、臭いが気になるのならそう言ってくだされば良かったのに、と言うと、公主は、父上が何もおっしゃらないのにわたくしがそのような、と答えた。


なんだか西洋の昔話のお姫様を連想する。王子様の花嫁募集に応じて、自称お姫様がたくさんお城にやってきたので、十二枚の布団の下に豆粒を一つ置いておくと、次の朝、ゆうべは寝付けませんでした、といったお姫様だけが、ほんとうのお姫様だった、という話である。

お米についたかすかな臭いが嫌で御飯が食べられなくなった公主様はほんとうに公主様らしい公主様だった。


チョン最高尚宮は水剌間の宮女達が会食や会議に使う部屋で、尚宮達、内人達、センガクシ達を前にして、チェ尚宮の手柄を褒めた。チェ尚宮はクミョンの手柄だと説明した。クミョンは、御飯を炊く時に炭を入れてみたのだが、それはチャングムが炭を醤油に入れたら味が良くなったのを知って、御飯にも試してみたのだと話した。チョン最高尚宮にも是非味見していただきたい、と言うと、チョン最高尚宮は、味見をしてみようと言い、皆の工夫や努力と、クミョンを褒めた。

クミョンに、チャングムは感謝の眼差しを。クミョンもチャングムにほほえむ。ヨンセンが、よかったー、という顔。ヨンノが、ちぇっという顔。


そこへ、別監がやって来て、トンブスンジ(同副承旨)が最高尚宮をお呼びです、とのこと。このときの別監は、役柄も俳優もなまえがわからないが、ハンサムな人だ。このとき一回しか出てこなかった。わたしはもっと見たかったのに。残念。

まあ、それはともかく、このときのトンブスンジ(同副承旨)とは、オギョモである。ヨンガム(令監)と呼ばれている。内侍府の長官もヨンガム(令監)と呼ばれている。更に言うと、後で出てくる内禁衛の長官もヨンガム(令監)と呼ばれている。オギョモは後でもっと出世してテガム(大監)と呼ばれるようになる。


トンブスンジ(同副承旨)は女官長や最高尚宮や内侍府の長官を呼んで、明国の使節団が中宗の誕生日祝いのために到着した、儀式も料理も一分の隙も抜かりがあってはならない、と話した。


最高尚宮は再び水剌間の一同を前にして、中宗の誕生日祝いの宴の料理について話す。チェ尚宮が、錦鶏の料理があるのですね、と言う。

ハン尚宮が錦鶏とは何か、と尋ねると、チェ尚宮は、明国では不老不死の霊薬とも言われる貴重な鳥で、皇族でも特別な祝いの日にしか食べない、という。ミン尚宮が、チェ尚宮は錦鶏を見たことがあるのかと尋ねると、チェ尚宮は、兄のチェパンスルが明国と貿易をしているので、二回、見たことがあり、料理もしたことがある、と答えた。

最高尚宮は、このたびの使節団は、明国の皇帝が自ら飼育したという特別な錦鶏を献上品として持って来た、と説明する。そして、錦鶏の料理をチェ尚宮に任せることとし、公主のために炭を入れて御飯を炊いたクミョンを助手に付けることを許した。

その後、水剌間の前の作業場を、チョバンねえさんが先頭に立って、ヨンノやヨンセンやチャングムを引き連れて歩きながら、文句を言っている。なにしろ、センガクシだった頃から、料理の技の競い合いでいつもクミョンが一番になるといって怒っていたチョバンねえさんである。今度も、内人の自分を差し置いて、まだセンガクシのクミョンがチェ尚宮の助手になるのは贔屓されているといって怒っているのだった。そこへハン尚宮がミン尚宮を連れて通りがかり、贔屓なんかない、実力があれば認められるから努力しなさい、と叱る。が、そのそばからまたミン尚宮が、機会が与えられなければ腕を振るうこともできません、と言う。ハン尚宮は、王様の御膳は腕前を競うために作るのではない、と叱る。ミン尚宮もしゅんとなる。チャングムは、ハン尚宮の言葉に肯いている。


チェ尚宮とクミョンは、錦鶏を受け取りに行って、パクプギョムから手渡された。パクプギョムはこののちも、オギョモの腹心として何度も登場する。司餐院の官吏なので、カンドックともチェパンスルとも会話する場面が多い。また妓房でいつもオギョモと会っている。


王の誕生祝いの宴は三日後なので、それまで、錦鶏は鳥小屋で飼育しておいて、他の料理の材料なんかを買って準備しておくことになる。

チェ尚宮はクミョンに錦鶏を預けて、宮廷の外に出かけて行く。

クミョンは、料理の食材になる動物達が飼われているところに行って、錦鶏を鳥小屋に入れた。だが、小屋の戸の鍵が緩んでいるのに気づかない。

一方でチョン最高尚宮は、ハン尚宮に、「わたしだって錦鶏料理ができるのに、と思ったかい」などと冗談を言いながら歩いている。ハン尚宮が「わたしが心にもないことを言うとお思いですか」とまじめに反論するので、「おまえは融通が利かない」などと言ってまた最高尚宮は笑う。そのふたりの後ろについて歩くチャングムもほほえんでいる。この場面は吹き替え版ではカットされていた。


さて、クミョンがまた後で鳥小屋に行くと、錦鶏が逃げていなくなっていた。あわててさがしまわるクミョン。小屋のまわりだけじゃなく、宮廷中、あちこち探し回ったけれど、見つからない。涙に暮れる。そして、決心する。最高尚宮になることを嘱望されているわたしが錦鶏を逃がしてしまうなどということがあってはならない。秘かにチェパンスルおじさまのところへ行って、錦鶏を買ってこよう。

夜になってから、クミョンは、チァンオを被って、宮廷の庭をうろうろ。そして、門の近くまで行き、衛兵がいないように見えたので出ようとするが、見つかりそうになる。そのとき、同じようにチァンオをはおった人が彼女の口を抑えてさっと身を隠させた。それはチャングムだった。チャングムは、クミョンが錦鶏を探していることに気づき、手伝う決心をしたのだ。宮中を抜け出すのなら、衛兵のいないところを知っていると案内する。宮廷の池に水を取り込むところの鉄格子が、鍵がこわれて緩んでいた。そこからふたりはまんまと抜け出す。

伝統衣服
http://www.lifeinkorea.com/culture/clothes/clothesj.cfm?xURL=female
チァンオッ
http://www.lifeinkorea.com/pictures/tc204.jpg
スゲチマ
http://www.lifeinkorea.com/pictures/tc307.jpg

チャングムとクミョンは漢陽の街を歩いているうちに兵士に見つかりそうになって逃げ、物乞いの人々の住む地域に迷い込んでしまった。

おとなやこどもの物乞いたちに取り囲まれたふたり。中で代表格らしい人が、やっと空腹をこらえて寝たところを起こしやがって、金をおいていくか、金がなければ……、と言って襲い掛かってきたところに、兵士がやってくる。兵士はまず物乞いの男を制止するが、チャングムとクミョンに、宮廷から女官が逃げたそうだが、おまえたちか、ときく。ふたりは咄嗟に、京畿道から親戚に会いに来て道に迷ったんですと嘘をつき、親戚というのは有名な豪商のチェパンスルだと、そこはほんとうのことを話す。チェパンスルのなまえの威力は確かで、兵士はチャングムとクミョンに親切にしようとして、さっき襲いかかろうとした物乞いの代表格の男に、道案内を命じる。

「これでも、根はいいやつなんだよ」

そうかもしれないけど、ありがた迷惑なふたり。仕方なく物乞いの男の後に付いて歩くが、男はわざと違う道に案内しようとしたりする。

クミョンが道を知っているので、男に注意する。なんだ、道を知ってるんじゃないか、と言う男。おまえたち、やっぱり、宮廷から逃げてきた女官なんだろ。まあいいさ、貰うものさえ貰ったら黙っておいてやる。

物乞いの男が靴紐がほどけてうずくまった隙に、クミョンとチャングムはチェパンスル邸の門まで駆け寄り、戸を叩く。戸を開けてくれたのはチャン執事である。(チャン執事は、「ホジュン」でも、ホジュンの師となるユウィテの屋敷の執事をしていたことを、最近、知った)

チャン執事はクミョンとチャングムの後ろに物乞いの男がいるのに気づいて、怒って追い返そうとするが、クミョンが、わたしたちを案内してきてくれたから食べ物と着る物をあげて充分にお礼して、と言う。そして、チャン執事ともうひとりの使用人頭みたいな男に、わたしたちが宮中から抜け出してきたことを知っているので、口止め料に充分なお礼をしてください、という意味のことを小声で話す。

屋敷のなかで、改めて、宮中から抜け出してきた事情を聞き、錦鶏は買っておくからおふたりはすぐに宮中に帰ってください、と執事達は言う。でも、クミョンは、錦鶏は自分が持って帰らなければならない、という。チェパンスルはトンネ(東莱*)に取り引きに行っているので、執事達だけで判断することになったが、とにかく、錦鶏を探すことを引き受けてくれた。チャングムは、自分はカンドックの方へ頼みに行ってみる、という。クミョンは、チャングムにお金の入った袋(たぶん、チュモニというもの)を渡して、明日の酉の刻までに戻るようにと言う。

酉の刻までにチェパンスルの屋敷に戻り、そこから宮中に戻って、戌の刻までには女官部屋にいなければならないのである。

チャングムがカンドックの家に行くと、ちょうど夫婦喧嘩をしていたが、トックはチャングムを見て、逃げてきたのか、追い出されたのか、と冗談を言う。このときはチャングムは笑っているが、実は当たらずといえども遠からずで、後でほんとに追い出されそうになるのだ……

カンドックのおかみさんのナジュテクは、宮中から抜け出してくるなんてとんでもない、すぐに帰れ、と、チェパンスルの屋敷の執事達と同じようなことを言う。しかし、結局、トックが、明日、チャングムを連れて錦鶏を買いに行くことになる。

翌日、市場の鳥屋のところに来たカンドックとチャングム。最初にトックがひとりで鳥屋と話をして、金色の鳥だと言ったので、何度も違う鳥ばっかり持って来るが、遂にチャングムが行って錦鶏がほしいのだと言うと、鳥屋は、明国の船が入るときに錦鶏を乗せて来る、という。ちょうどきょうが明国の船が入る日。カンドックは元々、この日に、薬材を明国の商人から買うつもりだったので、錦鶏も買えるだろう、といって、チャングムを連れて船着き場に行く。

船着き場でカンドックは知り合いの商人に会いに行き、明国の船は申の刻に入る、という。知り合いの明国の商人から錦鶏を買うからお金を渡すようにというトックに、チャングムは服の袖を探ってチュモニを取り出すが、それはクミョンから預けられた、いかにもお金がたくさん入っていそうなものだったが、それを戻して、もう一方の袖から、自分のチュモニを取り出した。クミョンのチュモニと比べて生地も安物で中身も少なそうである。トックがお酒を飲みに行くことを見越して、チャングムは、これだけしかないの、といって渡す。こういうところでクミョンに対してもトックに対しても誠実なチャングムである。トックはチャングムのなけなしのお金を貰ってお酒を飲みに行く。

チャングムはひとりで市場をひやかしに。そこで、数人の男達に突然捕えられて人気の無い所に連れて行かれて、さっき渡されたものを出せ、とか、わけのわからんことを言われる。チャングムも負けずに、昼間からなんて乱暴なことをするんだと言い返す。全然ひるまない男達。そこへ、この人ではない、と言って現れた、彼らのリーダー格の男。

やったー。ミンジョンホの登場である!!

と、わかるのは、吹き替え版を見ていたからだが……。

男達はほんとうの密偵を追って去り、リーダー格の男は、チャングムに丁寧に御辞儀して、御迷惑をおかけした、と言って立ち去る。このときはこれだけ。チャングムも何も言わない。お互い、名乗りあっていない。もっとも、チャングムは、たとえ名乗りあったとしても、わたしは錦鶏を買うために宮中を抜け出してきた女官です、なんて言うわけにはいかないけれど。それにしても、このとき、ふたりとも相手の顔さえ覚えなかったようなのは、不思議な感じがする。この後のドラマの展開の仕方を見ていると、ふたりはここで出会ったことを何も覚えていないようだ。じゃあ何のためにここで会ったんだろう。ドラマのオープニングの映像では、ミンジョンホがチャングムのそばに寄って優しそうに話しかけ、チャングムが恥ずかしそうに顔をそらしている場面があるのに、ドラマの中ではそういう場面が遂になかった。

寂しいなあー!!


チャングムはまたカンドックに会い、無事に錦鶏を買って、帰り道を歩き始める。そのまま順調に行けば酉の刻までにチェパンスルの屋敷に着くはずなのに、そうはならないから、ドラマになるのだ。

山の中を歩いていて、チャングムは、男達が闘っている場面に出くわして、あわてて木の陰に隠れる。闘っているのは、さっき、チャングムを密偵ではないと部下達に教えた人と、数人の男達だよー! チャングム、わかってるー?

ミンジョンホ(今はまだなまえはわからない)は、相手の男達を剣で切り殺さずに、蹴ったり、鞘に入った剣で叩いたりして、倒している。すごくかっこいい武術だ!! しかし、数人の男を倒した後で向き合った、笠を被った男は武術の達人で、ここでミンジョンホは剣を鞘から抜き、斬り合いになる。

かっこいい!!

ミンジョンホは敵を倒し、笠を被った男は地面に仰向けに倒れて、顔に笠がかかっている。ミンジョンホがその男の袖を探って巻物を取り出したとき、さっき市場でチャングムと間違えられた密偵の女が、木の陰から手裏剣を投げる。咄嗟に剣で防ぐミンジョンホ。しかし、遂に、肩に一本、手裏剣が刺さり、それは抜いたけど、次に胸に短剣が刺さって、到頭、ミンジョンホも地面に仰向けに倒れてしまい、顔に黒笠がかかる。密偵の女はミンジョンホの袖を探って巻物を取り返して立ち去る。

チャングムは、木の陰から出て来た。ミンジョンホともうひとりの男のそばにちょっと寄ってみる。ふたりとも、顔に笠がかかっていて、死んでる感じ。チャングムは、通り過ぎていこうとする。するとミンジョンホが動いて、待ってくれ、と言う。まだ生きてたんや!!

しかし、ここでかかずりあっていると、チェパンスルの屋敷に、酉の刻までに帰ることができなくなる。迷うチャングム。でも、瀕死の人を放っておくことはできない。まだ生きてる。ほっといたら死んでまう。

チャングムはミンジョンホのそばにより、脈をとり、胸に耳を当て、確かに生きてることがわかると、短剣を抜き、白い下着を裂いて包帯を作って止血する。それからさらに、薬草を探しにいく。

チャングムがノリゲについた銀粧刀で薬草を地面から切り取っている。この場面は、吹き替え版ではカットされていた。しかし、二次小説作者のなかには、この場面を想像で補った人がいた。すばらしい想像力だ。一旦、二次小説で読んでからは、まさにそうであったに違いないと思い、私を初め、何人もの人がその後の自分の二次小説で同じ設定を使わせて貰ったものだ。

チャングムは集めて来た薬草を石で叩いたり擂り潰したりして、ミンジョンホの胸に塗り、また新しく白い下着を裂いて包帯を作り、ミンジョンホの胸に巻き、服を着せ直す。もう一度脈を確かめ、これで大丈夫とわかってから、錦鶏を持って立ち上がる。もう全然、クミョンとの約束の時間には間に合わない。日が暮れている。チャングムは、錦鶏を持って、急いで立ち去った。その後には、ノリゲが落ちていた。


チェパンスルの屋敷では、チェ尚宮がクミョンを迎えに来て、厳しく叱りつけていた。チェパンスルもトンネ(東莱)から戻ってきていた。そこへチェパンスルの雇い人頭みたいな男が、錦鶏を買って戻って来た。チェ尚宮は安心し、クミョンを連れて宮廷に帰ろうとする。しかし、チャングムが帰って来るまで待っていてください、というクミョン。わたしのために、宮中を抜け出してくれた友達です。

このときまではほんとうにいい子なんだ、クミョンは。後になって、ミンジョンホが絡んできてから、だんだん、陰険になっていく。かわいそうなクミョン……。


チェ尚宮は、遂に待ちきれなくなって、クミョンを連れて、宮廷に向かって歩き始める。それから少し遅れて、やっとチャングムがチェパンスル邸に帰って来た。チャン執事が迎えて、さっき、チェ尚宮様とクミョン様が行ったばかりです、急いで行けば追いつけるでしょう、と言うので、チャングムも、急いで行きます。

しかし、とうとう、チャングムが追いつかないうちに、チェ尚宮とクミョンは、宮中に入ってしまった。チャングムは置いてきぼりに。

宮廷の門のところに兵士がいるのを見て、引き返したチャングム。あの、宮廷の庭の池に水を取り込むところに行くと、前の晩はこわれていた鉄格子が、きょうはもう修繕されていて、中に入ることができない。

なんで、クミョンは、もっと気を利かせて、チャングムがこっから帰って来るかもしれへんと思うて、鉄格子のところに来えへんかってん。


翌日、女官長とスバル尚宮が来て、水剌間の前の広場で、チェ尚宮とクミョンが錦鶏の料理をしているのを、最高尚宮、ハン尚宮、ミン尚宮、ヨンセン、チャンイ、ヨンノ、チョバン、みんなが見ている。

そこへ、内禁衛の兵士がやってくる。チャングムに縄をかけている。この者は水剌間のセンガクシだと言っておりますが。

最高尚宮が、はい、そうです、と答える。

内禁衛の兵士はチャングムを連れて行く。

ここで、内禁衛の人が、「夜明け前に宮中に押し入ろうとしているところをつかまえた」と言っていたのだが、チャングムがあの池の水の取り込み口にいたときにはまだ夜半にもなっていなかったはず。あれから夜明け前までどこにいたんだろう。

いったん、カンドックの家に帰って、錦鶏を置いて来たんだろうか?

それとも、一晩中、宮廷の周りをうろうろしていたのか?

よくわからない。二次小説を書くときに、私は、カンドックの家に帰って錦鶏を置いて来たことにしたり、一晩中、宮廷の周りをうろうろしていたことにしたりと、幾つかのタイプを作っている。


さて、とにかく、中宗の誕生祝いの宴は、無事におこなわれた。明国の皇帝が育てた錦鶏じゃなくて、チェパンスル商会が買って来た錦鶏で、チェ尚宮とクミョンが料理を作って、出したのだ。そうとは知らず、中宗も中殿も大妃も同副承旨のオギョモも明国の使節も、にこにこしていた。

宴の後、女官長は、最高尚宮以下を叱りつける。クミョンが錦鶏を逃がしたことでこうなった、ということは、誰も言わない。だから女官長はその事実を知らない。知らないままに、最高尚宮は三箇月の減俸、ハン尚宮やチェ尚宮は上級尚宮から中級尚宮に格下げ、そして、チャングムは、職を取り上げ、宮廷から追放する、と言う。

そして、内禁衛では、チャングムに、鞭打ち二十回の刑が宣告されていた……!!



*柿の甘味

この第六回の放送の後、「『チャングムの誓い』で学ぶ宮廷料理」も放送された。そこでは、前の第五回で登場した、チョン最高尚宮の料理「チュクスンチェ(タケノコのあえ物)」が取り上げられていた。

http://www.vap.co.jp/daejanggum/cooking/02.html

ドラマでは、熟した柿で甘味をとったとされていた。実際にチャングムの時代は砂糖が貴重だったので、柿で甘味をとったことも考えられるが、現代では砂糖や蜂蜜が豊富で、また柿の甘味を使ったという記録もないので、この放送のお料理教室では、柿を使わないことにした、と言っていた。

それはいいのだが、うちの母は、実際に柿の甘味を料理に使ったことがあるそうである。

それは第二次世界大戦直後の食糧難の時代であった。米が配給制で、その米も不足して、米の代わりに砂糖が配給されるというような状況であった。その頃、うちでは、柿の皮をいれておつゆを作ったり、いろんな料理に利用したそうである。

だからドラマのなかで、柿で甘味をとったといったときにも、別に意外だと思わず、そうかそうかと肯いていたそうである。私なんか、へえ、そんなことができるのか、と驚いていたけど。

戦中戦後の食糧難の話は、こどもの頃、母や祖母や、小学校・中学校の先生などから、散々、聞かされたが、柿の皮で甘味をとったという話は、今回の放送の後で、初めて、聞いた。これもチャングム効果か!



*東莱
倭館のあったところ。ミンジョンホが軍功を立てた三浦の乱のときに閉鎖されたが、後に再開した。チェパンスルは倭人との禁制品の密貿易で莫大な利益を得ていたが、最後はそれが命取りになる。
「倭館」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%AD%E9%A4%A8



この記事へのコメント

だるま
2007年02月19日 23:02
terutellさん、こんばんは。こちらをご紹介くださりありがとうございます。二次小説もそうなのですが詳細なあらすじを拝読していますとこのドラマに対するterutellさんの思いがとてもよく伝わってきます。           今回も見所いっぱいでしたが何といってもチョンホ様の登場が嬉しかったです。でもチョンホ様、あんなにきれいなチャングムのこと覚えてないんですよね…。次回はあのお方の登場ですね。いつも的はずれなコメントですみません。         
チボクの鍼
2007年02月20日 01:35
てるてるさん、こんばんは、お久しぶりです。
てるてるさんの感想に並行しながら、私も6話の(私の場合かなり偏ってると思いますが)感想、述べたいと思います。よろしいでしょうか?

>あのかわいいちびっこのチャングムやヨンセンたちが、すっかりきれいな娘さんになっている。

あのコたちもかわいかったですが、みんな総じて美人に成長しましたよね。

>チャングムが洗い物を終えて水剌間に行くと、チェ尚宮とクミョンが特別な料理を作っている。

まず思ったのは、クミョン・・大きくなったなぁでした。
この時のヨンノの顔、なんかかわいくありませんか?

チボクの鍼
2007年02月20日 01:37
ハンサムな別監。
たしかに、この作品はちょい役に結構美男美女が出てきますよね。
あまり憶えてないですが。

美女
ミョンイ時代の気味尚宮。
スカウト尚宮。
ちびチャングム時代の後ろにいた女官。
ハンイ。
ミン尚宮と同期の春画に喜んでた女官。
チャンドクのとこの3人。
医女チャングムに足をもませてたくそ生意気な小娘女官。
ミン最高尚宮に「味の次はなんですか?」と聞いてた女官。

美男

チョンホの副官二人。
ソンドル。
クマンの部下。居眠りしてた奴。
ピルトゥ。など。

>(チャン執事は、「ホジュン」でも、ホジュンの師となるユウィテの屋敷の執事をしていたことを、最近、知った)
チャン執事は、チェオクの剣でも出てましたね。年端もいかない娘を外国に売る悪徳庄屋みたいなので出てました。ソンベクに斬られてましたけど。あと、これは関係ありませんが、ホジュンで出てた悪徳医者はきっと中宗の侍医の孫です。(ジョークです)

チボクの鍼
2007年02月20日 01:37
>寂しいなあー!!
ほんとですよ。お互いこんな美男子と美女忘れんなよ。特にチョンホ!!

>チャングムがノリゲについた銀粧刀で薬草を地面から切り取っている。この場面は、吹き替え版ではカットされていた。しかし、二次小説作者のなかには、この場面を想像で補った人がいた。すばらしい想像力だ

懐かしいですね。ほんとに素晴らしい想像力ですよ。

>なんで、クミョンは、もっと気を利かせて、チャングムがこっから帰って来るかもしれへんと思うて、鉄格子のところに来えへんかってん。

ほんまや。チァンオ、ジャミラに被っていとってくれたらよかってん。

長々と失礼しました。うっとうしければ削除してもらってもかまいません
だるま
2007年02月20日 18:23
terutellさん
修正のやり方が解らなくてすみません。削除していただけますだしょうか?
terutell
2007年02月20日 19:52
だるまさん、こんばんは。ええ、修正削除ですか。その必要がわからない……的はずれなコメントだとも思いませんが。(^^;)
terutell
2007年02月20日 19:57
チボクの鍼さん、お久し振りです。第六話の感想、ありがとうございます。
ほんとに、脇役というよりもうチョイ役にも、美男美女が多いんですよね。済州島の役人とか、「ホジュン」でもチョイ役で出ていたような気がします。
クミョンについて。
>チァンオ、ジャミラに被っていとってくれたらよかってん。

はっはっは。ジャミラ! 羽織るのじゃなくて頭から被るのは、ジャミラスタイルなのね……。

この記事へのトラックバック

  • 宮廷女官チャングムの誓い 第6話「追放処分」完全版

    Excerpt: 今回のチャングムは「ラブストーリは突然に」小田和正のOh!Yeah!/ラブ・ストーリーは突然にからタイトルをパクりました。このころはクミョンとチャングムはお互いに協力してやっていこうという仲だったんだ.. Weblog: @もろいことない?チャングムにくびったけ racked: 2007-02-18 17:54