てるてる日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 2009/07/07 参議院参考人質疑 森岡正博さん

<<   作成日時 : 2009/07/08 09:36   >>

ナイス ブログ気持玉 12 / トラックバック 2 / コメント 4

参議院インターネット中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
ビデオライブラリ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/index.php

2009年7月7日 参議院 厚生労働委員会

案件
政府参考人の出席要求に関する件
臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第164回国会衆第14号)
子どもに係る脳死及び臓器の移植に関する検討等その他適正な移植医療の確保のための検討及び検証等に関する法律案(参第26号)

参考人
日本移植支援協会副理事長高橋和子
大阪大学大学院医学系研究科先端移植基盤医療学教授高原史郎
大阪府立大学人間社会学部教授森岡正博
東京大学先端科学技術研究センター特任教授米本昌平

○森岡正博
わたしは、衆議院提出B案の原案となった、いわゆる森岡杉本案の提唱者のひとりでございます。
内容としましては、おとなについては現行法のまま、
こどもについては、こどもにも意見表明の機会を与える、という案であります。

参議院におきましては、個人的には、E案に親近感を抱いております。

きょうはおもにA案に対して疑問点を述べさせていただきます。

まず第一点でありますが、これは親族優先提供であります。
A案の親族優先提供の条項は、削除すべきであると思います。

たとえば英国では、提供先の指定はガイドラインで禁止されております。

昨日もそうでしたが、ぬで島さん、あるいは、町野先生も、
削除ということをおっしゃっておりました。
私も削除です。
ですので、この点に関しては、議論の余地なく、削除、ではないかと私は思っております。

二番目は、本人の意思表示について、であります。
A案は、本人の書面による意思表示がなくても、脳死判定、移植ができる、としていますが、
これは国民のコンセンサスになっていない、と私は思っています。

2004年の内閣府調査、そして、2008年の内閣府調査、ともに、
本人の意思表示に賛成する回答が50%を越えております。

本人の意思表示が必要、ということについては、過半数の国民が現行法を支持している、と私は考えております。

新聞調査によっては、社によって意見が違います。
読売新聞は19.2%ですが、毎日新聞は52%。
ですので、政府の調査を見る限り、本人の意思表示の前提をはずすことに関しては、
国民のコンセンサスはない、といわざるをえない、と私は思っています。


三番目、長期脳死について、でございます。

こどもは長期脳死になりやすい、とされています。

長期脳死とは、脳死状態で30日以上、心臓が動き続けるケースでございます。
その間に、脳死のこどもは成長し、身長が伸び、歯がはえかわり、顔つきが変わる、と言われています。

A案は、このようなこどもを死体と断じるものであります。

日本移植学会理事長の寺岡氏は、7月2日の厚生労働委員会において、次のような発言をされておりました。

〔最近、繰り返し報道されている、いわゆる長期脳死につきましては、法的脳死判定の基準、
あるいは、小児脳死判定基準を完全に満たしている事例は存在せず、脳死とはいえません。
すなわち、無呼吸テストが実施されておらず、またその他の判定基準も一部しか満たしていないのが事実です。〕

これをお聞きになって皆さんは、長期脳死は、無呼吸テストをおこなっていないし、
法的脳死判定をしていないので、厳密には脳死ではない、と思われたのではないでしょうか。
ところが、昨日の、谷沢先生、島崎先生の御発言では、無呼吸テストをした長期脳死がある、と言われておりました。
事実は、どうなのでしょうか。

昨日も、丸川議員から、その点について最後に御質問があったと存じます。
それについて、私が、代わって、お答えしたいと思います。

2000年に、日本医師会雑誌に発表された、旧厚生省研究班の論文
「小児における脳死判定基準」というものがあります。
これは日本の小児脳死判定基準を定めた、決定版の論文でございます。
寺岡さんが発言で引用されていたものであります。

論文には次のように明記されています。

まず、
脳死とされる、6歳未満のこどもについて、
厳密に、無呼吸テストを2回以上実施して、
無呼吸が確認されたケースが、20例あった。
これは、小児脳死判定基準を厳密に満たしております。

そして、その20例のうちの、
7例、
が長期脳死になっています。

すなわち、無呼吸テストをおこなった、6歳未満の脳死のこどものうち、なんと、35%が長期脳死になっています。

さらに驚くべきことに、そのうちの4例、すなわち、20%が、100日以上、心臓が動き続けております。

これが、論文で発表されている事実です。

無呼吸テストを厳密に実施した脳死判定で、
脳死のこどもの3割以上が長期脳死になっており、
2割は100日以上、心臓が動いている。

我々は、まず、この厳粛たる事実を、胸にきざまなくてはなりません。
どうして、このような重大な事実が、国民に広く知らされてこなかったのでしょうか。
この論文は、日本で最も権威のある、脳外科の医師である、竹内一夫先生のグループによって執筆されたものでございます。

この論文の注に引用されている論文の一つが、
日本救急医学会雑誌2000年のもので、
「300日以上脳死状態が持続した幼児の一例」
というものであります。
これは兵庫医科大学のケースであります。
このケースでは、生後11ヶ月の男児が、脳死になったのち、
厚生省研究班の小児脳死判定基準を、2回の無呼吸テストを含め、厳密に満たしております。
その状態で、326日間、約1年弱、心臓が動き続けております。
論文には、2回の無呼吸テストを含む神経学的評価をおこない、基準を満たしていることを確認した、と明記されておりますし、
医学的には、本例は早期から脳死状態にあったことはまちがいない、と明記されています。

小児脳死判定基準を厳密に満たし、2回の無呼吸テストをおこない、脳死と判定されたうえで、
326日間、心臓が動き続けた、長期脳死の例が、はっきりとあるのです。

それだけではありません。

この間、身長が、74cmから82cmまで伸びています。

成長しているのです。

また、90日頃から、手足を動かし始め、いちじるしいときには、あたかも踊るように見えた。

いわゆるラザロ徴候というものですが、

手足の動きは、心停止まで続いております。

再度確認しますが、この兵庫医科大学のケースでは、無呼吸テストは、24時間あけて、2回、おこなわれています。

ここにもマスメディアの皆さんがおられますが、脳死についての正しい情報を是非とも国民に知らせてください。
心臓が100日以上動き続け、成長し、身長も伸びる脳死のこどもが、死体である、とする、国民のコンセンサスはありません。

また、長期脳死になるかならないかを見分ける、医学的な基準も発見されていません。

たとえ、親の同意があったとしても、長期脳死の可能性のある脳死のこどもを死体と断じ、
その身体から心臓や臓器を取り出すことは、危険すぎます。
これらの点について、こども脳死臨調で、専門的な調査をおこなって、その結論が出るまでは、
脳死状態のこどもからの臓器摘出を許可してはならない、と私は考えます。

(中略)

ドナーカードを持っていない人というのは、持たないことによって、何かの意思表示をしていると思うのです。

そのうちの多くの人々は、迷っているのです。

この、迷っていることを尊重すべきだと、私は思います。

我々には、脳死が人の死かどうか、臓器を摘出すべきかどうかについて、迷う自由があります。

この迷う自由を人々から奪ってはなりません。

迷う自由を保障するもの、それこそが、本人の意思表示の原則であります。

すなわち、迷っている間はいつまでも待っていてあげる。
もし決心がついたら申し出てください。

これが、本人の意思表示の原則なのです。これが現行法の基本的な精神となっております。

A案、すなわち、拒否する人が拒否の意思表示をすればよい、というA案では、
この、迷う自由、悩む自由というものが守られません。
なぜなら、あれこれ迷っていたら、迷っているうちに脳死になってしまい、
家族がもし承諾してしまえば、臓器をとられてしまうからです。
迷っていたら、臓器をとられてしまいます。
これが、わたくしがA案に反対する、大きな理由の、一つです。

最後に、脳死の議論で忘れ去られがちになるのは、脳死になった、小さなこどもたちです。
彼らは、生まれてきて、事故や、病気で脳死になり、そして、
ひょっとしたら、何もわからぬまま、臓器までとられてしまうのです。
あまりにもふびんではないでしょうか。

ここから、私の個人的な見解、といいましょうか、思想、哲学になるのですが、

こどもたちには、自分の身体の全体性を保ったまま、
外部からの臓器摘出などの侵襲を受けないまま、
まるごと成長し、そしてまるごと死んで行く、
自然の権利というものがあるのではないでしょうか。

そして、その自然の権利がキャンセルされるのは、
本人がその権利を放棄する事を意思表示したときだけではないでしょうか。

私はこのように思います。

そして、現行法の本人の意思表示の原則というものは、
このような考え方が具現化されたものではないかというのが、
私の解釈、考え方であります。

外国では、脳死のこどもからの移植が可能だというふうに、すぐに外国のことを我々は気にします。

しかし、日本は、実は、世界で最も、脳死について、国民的な議論をした国です。

その結果成立したのが、本人の意思表示の原則という、日本ルールなのです。

我々は、この日本ルールにもっと誇りを持とうではありませんか。
もちろん、移植法全体としては、昨日、ぬで島さんが指摘したような改善点は、当然あります。
しかしながら、本人の意思表示の原則というものは、世界に誇れるものだと思います。

わたしからは以上です。


*追加

同日の、小池晃議員からの質問と、森岡正博参考人からの回答の抜粋。

○小池晃参議院議員
森岡参考人と米本参考人におうかがいしたいんですけど、
森岡参考人に、まず、
本人同意をはずすべきではない、と、こどもの権利条約を引いてお話しになったことは、たいへんだいじなことだというふうに、わたしどもも思っているんですが、
一方でそのことがあることによって、
一つは、おとなについて言ってもなかなか臓器の提供はふえない、という問題にどう参考人はお答えになるか、
それから二つ目に、本人同意ということになってくると、こどもが問題になってくるわけで、それは、提案もされていますけど、何歳まで参考人は可能だというふうにお考えで、それはその根拠があれば教えていただきたいのと、そのためにはどういう社会的制度的なサポートが必要になってくるのかということをお伺いしたい。
それから、その本人同意っていうことをつきつめていくと、結局、極く小児について言うと、これは、できないということになってくると思うんですが、その点について、参考人はどういうふうにお考えになるのかを、お聞かせ願いたいと思います。
それとあわせて、参考人が配られた資料のなかで、いわゆる町野案について、
我々は死後の臓器提供へと自己決定している存在なのであるという学説は、学問的に言って端的に誤っている、
というふうにお書きになっているんですが、わたしも感覚的には端的に誤っているような感じはするんですけど、学問的にいかに誤っているか、ちょっとお説を聞かせていただければな、というふうに思っています。

それから米本参考人に、前回、脳死臨調に参加されたという御経験があるということで、今回の議論は前回に比べてもかなり国民的な議論という点でも国会の議論という点でも不充分な感じがわたしはしているんですけれども、前回からずっと議論に携わっておられて、国会の議論のありかた、全体としての合意形成のありかたについて、御意見をお聞かせ願いたいと思います。


○森岡正博参考人
本人同意があるせいでふえないということが言われております。
それに関しましては、まずわたしは、ドナーカードの普及ということに、もっと力を入れるべきではないかと思います。
もちろんその前提としては、脳死臓器移植に対して、多方面からの正しい情報を公開したうえで、ということがありますけれども、
現在、ドナーカードの所持率は8.4%です。
いろんな調査によりますと、移植に賛成であるという意見は、アンケートをすると6割以上あるわけですね。
6割以上あるにもかかわらず、実際に持っている人が8.4%、衝撃的な低さでございます。
何かここに大きな障害、問題があるのではないか。
まずは、わたくしは、ここを、衆智を集めて、これをもっと、ほんとうに、したいと思っている方は、正しい情報を手に入れたうえで、ドナーカードを持つと、そこから始めていくことがだいじではないかというふうに、わたくしは思っています。

次の御質問の、こどもに関して、ですけれども、B案の原案になったわたくしたちの案では、二つの選択肢を考えておりました。
一つは年齢としては12歳までとりあえず下げてみる、もう一つは6歳まで下げてみる、ということを書いております。
ただし、この12歳、6歳ということにつきましては、厳密な線引きの根拠は示せません。
それはちょうど、法律において、成人が20歳をもって成人とするということについても、実は、厳密な根拠はないのですね。
と同じように、人間はプロセスで成長しますので、やはりそれはむずかしい。
ただ、一つの目安として、中学校に入る、あるいは小学校に入るというのは、一つのわかりやすい目安ではないだろうかということで、提案をさせていただきました。
そして、意思表示をしたいこどもには、していただけるようにしたらどうかということなんですけれども、そのためには、当然、教育ということがだいじではないかと思います。
ただ、教育というのも非常にむずかしい問題を含んでおりまして、特に小学校になりますと、生と死に関して心の中まで踏み込む教育をすることになります。
死生観でありますので。
そういうことに非常に敏感に教育をできるような教育者を育てるというところから始めなくてはいけないという話だと思いますので、非常に長い話になるかと思いますが、生と死の問題は、国家百年の計の問題でありますので、みんなで生と死について、こどもといっしょに考える、いうことを進めていく必要があるかと思います。

じゃあ、6歳未満の場合はどうかということであります。
我々の案でも、6歳未満は臓器摘出はできない、ということになります。
その理由は、一つとしましては、長期脳死になりやすい、ということが言われている、その問題が解決するまでは、ありえないだろう、というのが、我々の考え方であります。
そして、もう一つは、先ほど、わたしの話の後半で言いましたけれども、人は生まれてきて、そしてその人が一年とかそのあたりでまた、死んでいってしまう、そういうときには、まるごともって生まれたからだが、まるごと亡くなられていく、そしてあちら側へ帰っていく、そういうことを我々はもっと大切に考える必要があるのではないだろうか、というふうにわたくし個人は思っております。
もちろん、これは、たいへんむずかしい問題なのです。
先ほど、他人の死を待ち望む、という御意見もありましたが、脳死からの臓器移植というのは、どう考えても矛盾をはらむ医療であることにまちがいはないのです。
これは推進側に立ったとしても、我々のような慎重派に立ったとしても、100%真っ白のクリアーな答えは出ないものなのであります。
どう考えても、どこかに必ず矛盾が出る。そういう、ほんとうに胃が痛くなるような話なんでございます。
そういうふうに理解していただければと思います。
(後略)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
てるてる日記「2009/07/07 参議院参考人質疑 森岡正博さん」
 以下、昨日とほとんど同じですが、いちばん最後のところ、緑字になっているところが新たに加わりました。昨日のを読んだ方はそこだけご覧になっていただいても構いません。  てるてる日記  「2009/07/07 参議院参考人質疑 森岡正博さん」  http://terutell.at.webry.info/200907/article_1.html  より  ‥‥森岡さん公認となりました。  「長期脳死、本人の意思表示@参議院での発言」  http://d.hatena.ne.jp/kanjina... ...続きを見る
Just a Little Bit of...
2009/07/08 22:48
あくまでも長期脳死を否定する議員たち
7月7日の参議院厚生労働委員会では、午前中、参考人質疑がおこなわれ、 午後、A案提出者(衆議院議員)とE案提出者(参議院議員)に対する質疑が、 おこなわれました。 ...続きを見る
てるてる日記
2009/07/09 00:26

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
てるてるさん、ありがとうございます。
全文コピペしたりしてます。
ちしゅー
2009/07/08 18:10
ちしゅーさん、こちらこそありがとうございます。
どんどん、コピペを広めてくださいませ。
てるてる
2009/07/09 00:30
てるてるさん、文字に起こして下さってありがとうございます!多くの人に伝わりますように!
カエル
2009/07/09 23:07
カエルさん、こんばんは!
ええ、多くの人に伝えたいです!
英訳して世界に発信できたらいいなあ、と思うほどです。
私はようしないけど。
てるてる
2009/07/09 23:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
2009/07/07 参議院参考人質疑 森岡正博さん てるてる日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる