てるてる日記

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zoom RSS 移植医療の倫理性

<<   作成日時 : 2007/05/30 16:25   >>

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移植医療というものが、本来的に、倫理にもとる要素を含んでいるのではないかと、疑いたくなるような報道が続いている。

(1) 日本の移植待機患者がフィリピンへ臓器を買いに行く話

http://www.asahi.com/life/update/0529/TKY200705290418.html

臓器求めアジアへ ドナー「二つあるものはひとつ売る」
2007年05月29日19時46分

 臓器を買う人、売る人。日本国内でドナー(提供者)が少ないため、臓器を求めてアジアへ渡る移植患者が増えている。特にフィリピンでは非血縁者の生体移植が7割を占めており、ドナーの多くは「謝礼」を目的とする貧困層だ。臓器売買は倫理や安全の面だけでなく、世界的な臓器不足と貧困問題を念頭に取り組むべきだとの声が高まっている。


海外で腎移植を受けた日本人/フィリピンの腎移植件数

 マニラ市の貧困地区バセコ。約4万5000人の住民のうち約3000人が臓器提供者と言われる。

 「手術後、謝礼として11万5000ペソ(30万円)もらった」と話す男性(32)は03年、日本人の男性に腎臓を提供した。

 自転車で客を運ぶ仕事の収入は、多いときで1日120ペソ(約310円)程度。子供を抱え、まとまったカネが欲しかった。腎臓摘出は怖かったが、周囲の「経験者」たちから話を聞き、酒を飲み過ぎないなど注意すれば大丈夫、と自分に言い聞かせた。

 だが、「謝礼」は1年足らずで生活費に消えた。「腎臓が1個なくなっただけで何も変わらない。本当に困ったら、次は目を売る。二つあるものは、ひとつでも何とかなるだろう」

 バセコに住み、腎臓提供者を病院に紹介する仲介者(38)は「希望者は多い」と話す。別の仲介者を通じて病院から連絡があれば、血液型など条件に合う候補者を数人紹介する。移植できれば、1万ペソ(約2万6000円)程度の手数料を得る。

 フィリピンには、臓器提供者が「謝礼」の名目で金銭を受け取る制度がある。売買とはみなされないが、その手続きは不透明で、「謝礼」を搾取する悪質な仲介者も生む。そこで保健省は昨年、制度の整備と拡充に乗り出した。病院や団体が個別にやっている臓器提供の手続きを統一化、透明化するのが狙いだ。

 さらに、「外国人患者」に対して手術代のほかに臓器提供者への支援金約6000ドル(約73万円)と、別のフィリピン人患者の移植費用の負担を求める案が浮上した。だが、「政府が臓器売買を認めるのか」「自国民の臓器を利用するのか」といった批判が出ている。


 海運関係の会社に勤める東京都内の男性会社員(55)は05年8月、フィリピンで臓器売買による腎移植を受けた。

 その8年前、国内で母親から生体移植を受けたが、腎機能が低下し、再移植を希望していた。1回目のときに、主治医に「海外で移植できないか」と相談した。「中国は、患者のケアがずさん。フィリピンも国立病院が臓器売買をするようなところだ。中国より技術はいいが、私は薦めない」と言われた。

 日本で移植を待っていても時間がかかるため、今回はフィリピン行きを決めていた。ブローカーは介さず、現地の知人を通じて受け入れ病院を見つけた。主治医が「臓器売買をやっている」といった国立病院だった。

 ドナーは34歳の男性だった。経過は順調で2週間で退院。退院時、検査結果も渡された。帰国後、日本の主治医は検査結果を見て、術後の管理もよく、大きくて良好な臓器に驚いたという。

 渡航費を除く費用は8万ドル(当時約900万円)で、7万ドルを病院に、残る1万ドルをドナー紹介の仲介業者に払った。

 業者の事務所は病院内にあった。会社員が聞いた話では、ドナーは、事務所に「腎臓をあげたい」と申し出る。ドナーに払われたのは、1万ドルのうち、日本円で50万円ほどだとみている。「50万円といえば、貧民層だと一生かけても手にできない額だ」。自らの移植に罪悪感はあるものの、「人を殺したわけではない。ドナーのためになってほしい」と話した。


 日本臓器移植ネットワークによると、脳死や心停止後に腎臓移植を待つ登録患者は約1万1800人。うち6割は待機期間が5年を超える。日本移植学会のまとめによると、05年の生体腎移植は834件。脳死や心停止後の移植は少なく、生体移植の2割程度だ。

 国内での移植が進まないため、増えてきたのがアジアでの渡航移植だ。

 日本の厚生労働省研究班(班長、小林英司・自治医大教授)が昨年まとめた実態調査では、腎移植手術を受けて国内の病院に外来通院する患者8297人のうち、少なくとも198人が海外で移植をしていた。中国がほぼ半数を占め、次にフィリピンが多かった。

 フィリピンでは複数の病院で腎移植手術が行われており、05年は630件あった。その約7割が非血縁者からの生体移植。提供側の理由はほとんどが経済的事情で、「謝礼」が目当てだ。

 27日、福岡市であったシンポジウムで、フィリピン国立腎臓・移植研究所のエンリケ・オナ所長は、「金銭授受を禁止しても、取引が地下に潜るだけだ」と語った。むしろ現実を認めて制度を透明化する方が提供者を搾取から守ると主張した。

 日本には97年施行の臓器移植法があり、臓器の売買を禁じている。同法には日本人が国外で同様の行為をしても適用されると明記されているが、例えば警察がフィリピンで売買を立件できるかどうかは未知数だ。


(2) 世界中の移植医が生体移植ドナーへの謝礼について議論する話
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070530k0000m040157000c.html

生体移植:謝礼の是非、国際学会がルール作り乗り出す

 世界各国の移植関係学会が加盟する「国際移植学会」が、生体臓器移植についてドナー(臓器提供者)への謝礼の是非も含めたルール作りに乗り出すことが、29日分かった。同日の日本移植学会理事会で報告された。アジア地域では、今年12月にドバイで生体移植に関する会議を開き検討を始める。脳死、心停止後の臓器提供が世界的に伸び悩み、臓器売買や渡航移植が問題となっているため、生体ドナーの確保と保護の両立を目指すという。

 WHO(世界保健機関)によると、脳死、心停止後の提供は慢性的に不足し、世界で実施されている臓器移植の約半数は生体からの提供となっている。また、先進国から途上国への渡航移植が増加。
フィリピンでは生体ドナーからの腎臓移植に関し、事実上売買を公的に認める制度を検討している。

 このため、国際移植学会は生体移植に関する会議の開催を決定。同学会は現在、臓器売買を禁止しているが、今後、ドナーの人間の尊厳を侵害しない範囲での経済的支援が可能かどうかから検討し、世界の生体移植の標準化を図る方向だ。

 会議では、ドナーに経済的支援をする場合の容認される範囲などが協議のテーマとして想定されるという。また、フィリピンの新制度案のように、特定の地域でドナーに対する経済的支援を導入した場合、近隣国への影響があるかどうかも検討する。

 日本移植学会を代表して参加する小林英司・自治医科大教授は「(臓器売買が禁止されていないフィリピンなど)アジア各国の国情を考慮しなければならないが、生体移植は健康な人の体にメスを入れる行為。(ドナーへの経済的支援の導入などで)安易に拡大の方向にならないよう討議していきたい」としている。【大場あい】

毎日新聞 2007年5月30日 3時00分 (最終更新時間 5月30日 3時07分)


(3) ドナーがレシピエントを選ぶ話
http://newsflash.nifty.com/news/tt/tt__reuters_JAPAN-261960.htm?tp2

臓器移植者を選ぶTV番組は「非倫理的」=蘭政府(ロイター)

 [アムステルダム 29日 ロイター] オランダのテレビ局が、死期の迫った女性が自分の腎臓を提供する移植希望者を選ぶという番組の放映を予定していることについて、同国の政府関係者は29日、内容が非倫理的だと批判した。

 この番組「Big Donorshow」は、37歳の女性が3人の腎移植希望者の経歴や家族や友人との会話を基に、1人の移植者を選ぶという内容で、当地のテレビ局BNNが来月1日夕に放映予定。

 オランダの教育文化相は「臓器提供への関心を高めるという同番組の趣旨は称賛に値するかもしれない」とした上で、「しかし現在ある情報から判断すると、同番組は競争であり、私には不適当で非倫理的に思える」と語った。

 また、欧州委員会の健康問題担当のスポークスマンは「テレビのリアリティ番組がこういう深刻な問題を取り扱うのは悪趣味な気がする」と話している。

 オランダ政府のスポークスマンによると、この番組の放映は、法的には問題が無いという。

[ロイター:2007年05月30日 14時10分]

http://www.iol.co.za/index.php?art_id=nw20070526141052603C832337

Dutch TV plans kidney donor show

May 26 2007 at 03:24PM

Dutch broadcaster BNN plans to air a television show next week where a terminally ill woman will decide who out of three young patients will get her kidney, Dutch media said on Saturday.

Viewers will be able to advise the 37-year-old woman, known as Lisa, via text messages which of the candidates to pick, the Algemeen Dagblad newspaper said. The show is scheduled for next Friday in a prime time spot.

BNN, whose former director died from kidney failure and spent years on a waiting list for a kidney transplant, told the Algemeen Dagblad newspaper that the show is meant to highlight the acute shortage of donors in the Netherlands.

The show is produced by Endemol, the Dutch entertainment power-house that invented the "Big Brother" television show in 1999.

Several transplant patient organisations and politicians have objected to "The Big Donor Show".
"This is going in the direction of selling organs," a spokesperson for the Dutch Transplant Foundation told Algemeen Dagblad.

A Christian Democrat member of parliament on Saturday called on the Dutch ministers of healthcare and culture to stop the show.

In the Netherlands organ transplants are bound to strict rules. People are not allowed to choose who their organs will go to after they die.

But with kidney transplants - which can be carried out while the donor is still alive - they are allowed to choose, provided there is proof of a relationship between donor and recipient. - Sapa-AFP


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数日前、2ちゃんねるで、生体移植ではなく、脳死または心停止下の臓器移植について議論するスレッドがあった。そこでは、ドナーの家族が、レシピエントに感謝することを求めるのは、「見返り」を求めているのでボランティア精神にそぐわない、として、批判する意見が、何度も投稿された。
また、ドナーがレシピエントを選ぶことができればいいのに、という意見も、先日に限らず、これまで、多数、見た。

私が思うに、ドナーがレシピエントを選ぶ権利はない。

だが、ドナー家族が、レシピエントが元気になっているかどうかを知る権利はある。

2ちゃんねるでは、そんな権利はない、などという投稿があったが、レシピエントには、ドナー家族が死者との語らいを続けるのを手伝う義務があると思う。それが礼儀である。

しかし、ドナーにレシピエントを選ぶ権利はない。
また、レシピエントにドナーを選ぶ権利もない。
両者はただ、医学的適合性だけが問題となる。
ドナーとレシピエントとは対等でなければならない。一方が他方を選ぶ権利などない。


*追加
2007/06/02
オランダのテレビ局が企画した、ドナーがレシピエントを選ぶのを実況中継する番組は、茶番だったとのこと。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070602-00000412-yom-int

腎移植啓蒙番組は「茶番」、オランダで批判と疑問の声
6月2日21時3分配信 読売新聞

 【ブリュッセル=林路郎】脳腫瘍で死期が迫った女性から腎臓の提供を受ける患者(レシピエント)を、女性の意思と視聴者の投票で決めるとの触れ込みで1日、オランダの公共テレビ局(BNN)が放映した番組は、巧妙にシナリオが練られた作り話だった。

 制作者側は、ドナー不足についての問題提起だったと釈明したが、「報道倫理に反する」との批判が出ている。

 問題の番組は、脳腫瘍で回復の見込みがない37歳の女性が、腎移植を希望する3人の患者からこれまでの人生などについて聞き、視聴者の人気投票結果を踏まえたうえで、1人をレシピエントに選ぶというものだった。

 ところが、番組終了直前に、番組のホストが「ドナーは、健康な女優が演じていた」と暴露。番組後の記者会見でも制作者側が「茶番」を詫び、「3人の患者は本物。彼らに1万2000人もの提供の申し出があったことは成功」と、ドナー不足の問題を提起した成果を強調した。

最終更新:6月2日21時3分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070602-00000503-reu-ent

オランダTV、「臓器移植者選ぶ」番組はうそ
6月2日17時40分配信 ロイター

 6月1日、死期の迫った女性が自分の腎臓を提供する移植希望者を選ぶという内容により国内外の物議を醸していたオランダのテレビ番組が実は作り話だったことが明らかに。写真は番組を放送したBNNテレビのCEO。先月30日撮影(2007年 ロイター/Michael Kooren)

 [アムステルダム 1日 ロイター] 死期の迫った女性が自分の腎臓を提供する移植希望者を選ぶという内容により、国内外の物議を醸していたオランダのテレビ番組が1日に放送され、その中で実は作り話だったことが明かされた。
 同番組は、当地のテレビ局BNNが放送したリアリティ番組「Big Donorshow」で、3人の腎移植希望者の経歴や家族や友人との会話を基に、死期が迫った37歳のドナーの女性が移植者1人を選ぶという設定だった。
 しかし、放送の終盤に女性が移植者1人を決定する段になって、死期が迫ったとされたドナーの女性は実は健康な女優で、移植希望者の3人だけが本物の腎不全患者だったことを司会者が明かした。
 同番組の制作責任者は、番組の目的は世間にドナー不足を知らせることだとした上で、「効果はあった。今夜(放送当夜)、1万2千件のドナーカードの申し込みがあった」と胸を張った。
 オランダは、ヨーロッパの中でもドナー登録率が最も低い国の1つ。

最終更新:6月2日17時40分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070602-00000036-jij-int

臓器提供番組、実は茶番=オランダTVに批判
6月2日11時1分配信 時事通信

 【ブリュッセル1日時事】オランダのテレビ局BNNは1日、死期の近い患者が自らの腎臓を提供する相手を選ぶ番組を実話として放映した。

しかし、終了間際に作り話であることを暴露、報道倫理が問われている。
 番組は、「余命6カ月」と診断された「リサ」と名乗る37歳の女性が、3人の移植希望者を紹介され、死後に腎臓を提供する相手を選ぶ筋立てだった。ところが、番組の終盤に女性は実は女優で、死期が迫っているわけではないことが明らかにされた。
 BNN側は、視聴者を欺いたことを謝罪しながらも、番組への怒りが臓器提供者の少なさへの怒りに変わることを望むと弁明。しかし、オランダ保健省のスポークスマンが「適切なやり方ではない」と述べるなど、臓器移植という深刻な問題を娯楽番組に仕立てたことに対し、国内外で批判の声が上がっている。 

最終更新:6月2日11時1分


>BNN側は、視聴者を欺いたことを謝罪しながらも、番組への怒りが臓器提供者の少なさへの怒りに変わることを望むと弁明。

「臓器提供者の少なさへの怒り」……移植待機患者自身が怒るのはわかる。その家族が怒るのもわかる。人情として。しかし、理性的に考えてみれば、そんなことに怒る権利が、誰かにあるのだろうか、と疑問に思う。元々、ひとりのひとのからだのなかにあるものを、他の人のからだに移植することが、許されるのだろうか。已むを得ず認められる場合があるだけだ。

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2007/06/01 22:23

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