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zoom RSS ドイツでの臓器移植法改正についての議論

<<   作成日時 : 2007/05/09 21:38   >>

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日本では、今の国会で、臓器移植法改正案が提出される予定だと、先日、報道がありました。

(下記掲示板の4月24日の投稿より)

http://322.teacup.com/lifestudies/bbs

現行の臓器移植法は、「本人の事前の書面による意思表示がなければ臓器提供できない」
ことになっています。

それに対して、改正案は、現在、二つ、考えられており、一つは、

「本人の事前の書面による意思表示がなくても、家族の同意があれば臓器提供してもよい」

というもの、もう一つは、

「本人の事前の書面による意思表示がなければ臓器提供できないことは変わりがないが、現行では、遺言が法的効力を持つ15歳以上の人しか提供できないが、改正案では、12歳以上、ないし、6歳以上の人が、提供できるようにしよう」

というものです。

前者の、
「家族の同意があれば臓器提供してもよい」
という改正案は、河野太郎・中山太郎などの国会議員有志が作っています。

後者の、
「現行では、遺言が法的効力を持つ15歳以上の人しか提供できないが、改正案では、12歳以上、ないし、6歳以上の人が、提供できるようにしよう」
という改正案は、あべ俊子議員などが提案していますが、もともとは、森岡正博さんと杉本健郎さんが共同で提案したものです。

子どもの意思表示を前提とする臓器移植法改正案の提言
http://www.lifestudies.org/jp/moriokasugimoto-an.htm

二つの法案についての、より詳しい経緯は、下記のサイトに解説があります。

臓器移植法改正を考える
http://www.lifestudies.org/jp/ishokuho.htm


ドイツは、日本と同じく、1997年に臓器移植法が制定されました。当時は、日本と同じように、脳死についての議論も盛んでした。しかし、脳死臓器移植件数は、日本よりもずっと多く、年間4000件あるということです。

年間4000件あっても、移植のための臓器が不足しているからもっとふやさなければならない、という意見は、日本と同じようにたくさんあり、そしてまた、日本と同じように、本人の同意がなくても臓器提供できるようにしよう、という意見が出てきました。

ドイツでは、
「本人が生前に拒否の意思表示をしていなければ臓器提供できる」
という、
「異議方式」
にしようにしようという提案がなされているとのことです。
しかし、それに対して反対の意見も多い。

杉本健郎さんのホームページの掲示板で、もりけんさんが、この興味深い議論を紹介しています。

http://web.kamogawa.ne.jp/~sugimoto/bbs/index.htm
1607 「沈黙は賛成を意味しない!」ドイツの臓器移植法改訂論議についての報道

もりけんさんは、ニュースサイトJanJan掲載の記事を引用紹介しています。

ドイツマスコミスキャン〜慢性的な臓器不足を解消?(上)法改正で提供者の“同意方式”から“異議方式”へ 2007/04/30
http://www.janjan.jp/media/0704/0704294600/1.php
ドイツマスコミスキャン〜慢性的な臓器不足を解消?(下)沈黙は同意 2007/05/07
http://www.janjan.jp/media/0705/0705065014/1.php

「(下)沈黙は同意」では、既に異議方式を採用しているスペインが紹介されています。
 『フランクフルター・ルントシャウ』紙も「『とにかく早く、できるだけ多くの臓器を』という考え方は、倫理審議会が人間を人間としてみていないことを示している。これではまるで部品庫である」と述べ、『ヴィースバーデナー・クリーア』と同じような見解だ。同紙はさらに、倫理審議会が提案した「異議方式」を採用しているスペインで臓器移植件数が多いことに関して

 「スペインでは医師の考えや協力体制がドイツよりもずっとプロフェッショナルなのである。ドイツではそもそも――法的に義務になっているのにもかかわらず――臓器移植に協力しない医療機関が多い。この背後にはひょっとするとある種の恐れがあるのかもしれない。あなたの心臓や腎臓がほかの人を救うことができるということを、すべての医師がさまざまな点に配慮しながら患者に説明できるというわけではないし、脳死患者の親族に臓器提供についてお願いするのに心苦しくないという医師もいないからである」

 と述べ、現場の体制を改善せずに提供方法だけを変更しても問題は解決できないと主張している。


このスペインの「異議方式」については、くわしい紹介記事があります。スペインでは、医師が「脳死」患者の家族にどのように説明するか、という方法が、徹底的に洗練され、訓練されています。

スペインの移植コーディネーター(Transplant Coordinator, T.C.)
てるてる 2000年12月29日、2001年1月4日改訂
http://www.lifestudies.org/jp/teruteru06.htm


このスペイン方式に対して、杉本健郎さんは批判的です。私も、スペイン方式を日本で実施することには反対です。

日本でも、「ドナーアクションプログラム」と称して、瀕死の患者が発生したら、移植に適応するかどうかの判定・患者家族への接近・患者家族への説明を、システム化し、洗練し、臓器提供件数をふやそうとする活動があります。それは、既に、幾つかの病院で成功しています。

しかし、移植に関係なくても病院で瀕死の患者とその家族のためのカウンセリングやソーシャルワークなどのサービスを充実するのでなくては、結局、移植患者のために、瀕死の患者を利用することになるのではないか、功利的で、医療倫理上、問題があるのではないかと、疑っています。

日本の移植コーディネーターのドナーアクションプログラム
http://www5f.biglobe.ne.jp/~terutell/NipponTC.htm

そして、もしも、
「本人の事前の書面による意思表示がなくても、家族の同意があれば臓器提供してもよい」
という改正案が採用されると、ドナーアクションプログラムが日本全国の病院で実施されるようになるのではないかと危惧しています。

私は、日本全国の病院が、移植用臓器の狩り場となることには、反対です。



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