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help リーダーに追加 RSS 二次小説の著作権について

<<   作成日時 : 2007/01/28 12:39   >>

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「宮廷女官チャングムの誓い〜大長今〜」の二次小説を書くようになってから、著作権について、ある種の誤解があるのではないかと危惧している。

たとえば、私は、テレビドラマ「宮廷女官チャングムの誓い〜大長今〜」で登場した、ハンイという女官について、ドラマにない設定を追加して二次小説を書いた。明国にハンイの父と兄がいて、兄が朝鮮語の訳官になって、朝鮮まで捜しに来た、という話である。

この、元元のドラマにはない架空の設定を、Aさんという人が、自分も「宮廷女官チャングムの誓い〜大長今〜」の二次小説に使いたいと思って、同じ設定で別の話を書いたとしよう。

もちろん、OKである。

その場合、これは元元のドラマにはない設定だが、既にterutellという人が思いついていた、と言及してくれるとありがたい。

でも、terutellの二次小説を読んだことがなく、全く別個に自分で思いつく場合もありうる。その場合、何もterutellの書いた二次小説には言及しないであろう。これでも何も著作権法に違反したわけではない。しかし、読者のなかで誰かが、terutellが既に二次小説に書いていたよ、と指摘するかもしれない。その場合は、Aさんが、自分は知らなかったけど、同じ設定を既に思いついた人がいた、と言及してくれるとありがたい。

もしも、読者には、terutellの方が先に思いついたのか、それともAさんの方が先に思いついたのか、わからなかったとしよう。そのとき、Aさんが、terutellが無断でAさんの設定を真似した、と思い込んで怒ってきたりしたら、困る。

また、terutellが、自分に無断で同じ設定を使ったな、といってAさんに怒って行くことも間違いである。どちらも著作権法の誤用である。

著作権法はアイデアや情報は保護しない。同じアイデアを先に思いついた人が、後から同じアイデアを使う人に対して、事前連絡を義務付けたり、事前連絡がなかったからといってそのアイデアを使うことを禁止したりはできない。

だいたい、「宮廷女官チャングムの誓い〜大長今〜」の二次小説作家は皆、このドラマを製作した韓国の放送局にも、日本で放映した放送局にも、事前の連絡をせずに勝手に書いているのである。もちろん、オリジナルの作品への愛あればこそなのだが。自分がオリジナルの作者に事前の連絡なく享受している自由を、別の、あるいは後発の、二次作家が、同じく二次作家であるこの自分に事前の連絡なく享受することを制限したり、ましてや禁止する、などということはできない。

ただし、である。二次小説のひとつを出版して販売するとでもいうようなことがあれば、当然、韓国の放送局にも日本の放送局にも事前に連絡して許諾を求め、著作物の使用料を払うための取り決めをしなければならない。

だけど、ただみんなで二次小説を書いたり読んだりして遊びましょう、っていうときに、いちいち、事前に放送局に連絡して許諾を求めたりしない。もしもそんなことが著作権法で義務付けられたりしていたら、たとえば日本でここ数十年間に発展してきたコミックマーケットなんぞは、到底、日の目を見ることがなかったはずである。だがコミックマーケットの膨大な作品群のなかから、出版社から発行される作品も生まれてきた。もっとも、その場合は、既に出版された漫画の二次作品ではなくてまったくオリジナルの場合が多いようだ。

しかし、もともと、文化とは、模倣と引用によって成り立っているのである。いわゆるオリジナルの商業作品でも、先行する作品の影響を受けていないものなどない。文学の古典と呼ばれる作品などは、その古典の二次作品の二次作品の二次作品まで作られていると言ってもよいし、これからも人類の歴史が続く限り、その古典の二次作品の二次作品の二次作品の二次作品の二次作品……が作られていくだろう。


なお、猥褻な表現について。先の例でいえば、ハンイという女官の兄が明国から朝鮮までやってきた、という設定を使って、誰かが猥褻な表現に満ちた二次小説を書いたとしよう。その場合、この二次小説は、著作権侵害かどうかではなく、ほんとうに猥褻な表現を使っているのかどうか、という点で検討されるべきである。一部に猥褻な表現をする二次作家がいるから、二次作品を書くときにはすべて先行作品をチェックし、同じアイデアを使いたいときに先行作家に事前に許可を求めるべし、などということはできない。


*学術論文の場合

学術論文の場合、先行研究をすべてチェックし、参照文献をすべて掲載するのは当然である。これは重複を避けて効率的な研究をするためにも必要であるし、表現そのものに価値をおく作品と、研究そのものに価値をおく論文とでは、自ずから異なる。


*参照
『日本の「チャングムさん」』の「*二次小説」の部分
http://terutell.at.webry.info/200612/article_5.html

なお、単に設定が同じなだけでなく、表現が酷似していた場合については、以下のサイトの「著作権を考える童話の続編『ある日のランジェロとダルマロ』」が参考になる。

著作権のひろば
http://cozylaw.com/copy.html



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うーん?
terutellさん、著作権法ちゃんと読んだことある?

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html

第28条にあるように、二次的著作物へは、原著作権者に二次的著作物の作者と同様の権利が発生しますので、そもそも許可なく二次的著作物を公表することは、著作者人格権の侵害になります。(公表せずに書くだけなら自由)
ただし、著作権侵害は基本的に親告罪なので(例外もありますが)、原著作権者が黙認している限りは告訴されることはないというだけの話です。
(続く)
小熊善之
URL
2007/02/04 20:37
(続き)
本来であれば許諾を得る必要がある二次的著作物がコミケットに氾濫しているのは、コミケットが言わば作家の供給源となっているためで、作家を育てる教育コストとしてコミケット他での二次的著作物が「黙認」されているためです。よって費用対効果が著しく悪化した場合(パロディによる損害が看過し得ないほど大きくなった場合)は速やかに告発され、駆逐される運命にあります。

そのことを弁えないで二次創作に邁進するのは、地雷原に目隠しで踏み込むような行為であると、元著作権実務経験者として忠告しておきます。
小熊善之
URL
2007/02/04 20:38
小熊さん、こんばんは。私も、最近、ドラえもんの最終回でものすごくヒットした作品が、小学館から訴えられたとかいうニュースを見て、考えておりました。まあいまのところ、「宮廷女官チャングムの誓い」の二次小説は、そこまでヒットしているのはない。むしろ、二次小説を書くためにチャングム本を買い集めたりNHKに再放送してとメールを送ったり公開番組に参加したり韓国まで旅行に行ったりと、購買と宣伝への貢献度の方が大きい。私と同じ年頃の中年の女の人達が、若い頃に読んだ本や人生経験を反映して小説家ごっこをして楽しんでいるのが大多数、という感じです。その程度だと思ってるけど、今後、ものすごいヒット作が出てきたらNHKやKNTVとちゃんと契約しなくちゃだめ、と思います。
terutell
2007/02/04 20:59
別に目くじら立ててるわけじゃないんだけど(^^;(私ゃNHKやKNTVの回し者でもないしね)

「作品への愛があるから」とか「作品の宣伝に役立っているから」とかいうのは、根本的に免罪符にはならないってことだけ、強調しときたかったんです。世の中には一切の二次創作を認めない連中も居ます。(コミケットの中でもディズニーは御法度、任天堂も敬遠されます)

無許諾の二次創作は、その理由の如何を問わず、訴えられたら敗けなのだということを肝に銘じておかないと、時に変な主張へと転びかねませんものでね。

# 私自身は現行著作権法の枠組みに疑問を持っていますが、悪法も法なり、の人なので。
小熊善之
URL
2007/02/05 00:36

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