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「宮廷女官チャングムの誓い」(原題:大長今)の第1話〜第48話は、「宮廷女官チェ尚宮の闘い」であったと思う。 第1話で太皇太后の料理にとりかぶとを入れたところから、宮廷女官チェソングムの闘いは始まる。 とりかぶとを入れるのを見たパクミョンイを、おばの最高尚宮の命令によって無実の罪を着せ、死に追い遣るチェソングム。 その後の、罪の意識との闘い。罪を糊塗するための、ハン尚宮やチャングムとの闘い。 ずーっと闘ってきて、第48話で、ミョンイのお墓の前で許しを請う。 「あなたが許せない、ミョンイ。 見ぬ振りをしてほしかった。 なぜ気味尚宮様に話したの? なぜあれを見てしまったの。 よりによってあなたが見てしまうなんて。 娘まで、宮中に送り込むなんて。 しぶとい人ね。あきれるわ。 何百回、何千回も恨んだわ。 あのときあなたが見なければと、 絶対に見てほしくなかった。 友達のあなただけは、あんな陰謀に巻き込みたくなかったのに。 もしわたくしがあなたに生まれて、 あなたがわたくしに生まれていれば、運命は違ったの? あなたやペギョンが我がチェ一族に生まれていたとしたら、どういう運命を辿ったのかしら。 知りたいわ。知りたくてたまらない。 だからわたくし、こうしてあなたのところへ来たの。 何もかも、あなたから、始まったんだもの。 ペギョン(白榮)が死んだのはわたくしのせい。 でも最高尚宮にもなったし、わたしに仕返しもできたし、あなたの娘の御蔭で幸せに過ごせた。悔いは無いはずよ。 でもあなたは、わたくしのせいで、あんなひどい目に遭わされたのに、わたくしに恨みをぶつけることもできずに死んだ。 わたくしが許しを請うとすれば、それはあなたにだけ。 お願いよ、許して頂戴。 こんな家に生まれたわたくしをどうか許しておくれ。 家と一族を捨てられなかったわたくしを許して頂戴。 一族のために、わたくしにあんなことをさせたおばを許してあげて。 その先代のおばも、そのまた先代の、そのまた先代のおばも。 そして、その地位を利用した、我が一族を許して頂戴。お願い。許して頂戴」(*) *「宮廷女官チャングムの誓い〜大長今〜」第48話 脚本:キム・ヨンヒョン 演出:イ・ビョンフン 制作:MBC(韓国)2003年〜2004年 日本語版監修 朝倉敏夫(国立民族学博物館教授) ジョン・キョンファ(朝鮮料理家) 寺澤捷年(千葉大学大学院) その後、チェ尚宮は山から降りてくる途中で、赤いテンギが木の枝にひっかかっているのを見て、笑顔を浮かべる。死の直前の、最後の瞬間に、陰謀に巻き込まれる前の純粋な少女時代に戻った顔。あの笑顔のために、それまでの全48話があったようなものである。 「宮廷女官チャングムの誓い」(原題:大長今)というドラマを象徴する、最高の名場面の一つだと思う。 もう一つの、これこそ最高の名場面は、チャングムとハン尚宮が、お互いに、おかあさんのミョンイの親友だ、親友のミョンイの娘だ、っていうことに気づいて、走っていって、泣いて抱き合うところだと思う。 この二つの名場面は、「大長今」っていうドラマを象徴する場面じゃないかと思う。 母と娘。師弟愛。友情。少女の純粋さ。 こうしてみると、第48話までは、女のドラマである。 チョン最高尚宮が、次の最高尚宮に決まったハン尚宮に助言を与えて去って行く場面も、「最高」の次といってもいい名場面だったし。 第1話〜第48話の主人公はチェ尚宮であった、といってもいいぐらいだ。そもそも、なぜチェ尚宮の闘いが始まったかといえば、燕山君の生母である廃妃ユン氏が処刑されたからなのだ。 ドラマでは描かれてないけど、ユン氏を廃妃にしたり、処刑したりすることを王に勧めたのは王の母。そのため、ユン氏の生んだ皇太子は、即位した後、祖母を母の仇として憎むことになる。 で、たぶん、ユン氏の息子で王になった燕山君かその側近が、歴史の表舞台に出ない裏側でチェ一族に命令して、太皇太后の料理に毒を入れさせようとしたのに違いない。 つまり、元はといえば、燕山君の前の王の母が、息子と嫁を引き離したのがいけないんだよう。 第49話〜第54話は、第1話〜第48話とは別の話といってもいいぐらいだと思うが、原題の「大長今」としては、むしろ、こちらが本筋なのだろう。 王の母。これは、「宮廷女官チャングムの誓い」(原題:大長今)というドラマのキモである。いってみれば、第1話〜第48話「宮廷女官チェ尚宮の闘い」と第49話〜第54話「大長今」とをつなぐキーパーソンである。 第49話〜第53話の王の母は、燕山君の次に即位した中宗の母だが、チャングムとミンジョンホとが愛し合っているのに、ふたりの仲を引き裂き、チャングムを王の側室にしようとする。 王の母、ってなんて悪どい奴らなんだ!! 中宗も、チャングムを側室にしたいんだけど、ミンジョンホから、医女チャングムの才能をつぶさないでください、王様の主治医にしてください、これが私のチャングムへの愛です、って頼まれて、思い留まる。 ミンジョンホの力で、中宗は、母の愛の力にからめとられずに、チャングムを側室ではなく、主治医にするのだけど、そのかわり、ミンジョンホは両班の身分を剥奪されて流刑になってしまう。 王の母に逆らった王の代わりに、臣下のミンジョンホが、罰を受けるのだ。 王の母、って、まるで、白雪姫のお話に出てくる魔女みたい。 そして、第54話では、中宗が死期を前にして、チャングムをミンジョンホの元に送り届ける。そりゃきっと、このときには、さすがにあの鬼婆……王の母も、死んでしまっているからだろう。私としては、何も中宗の死期が迫るまで待たなくても、鬼婆が死んだときに、さっさとチャングムさんをチョンホさまのところに送り届けなさいよ、と思うが。 そして、中宗の妻、すなわち、中宗の次の次の王の母が、チャングムとミンジョンホとを宮廷に呼び戻して身分を回復させる。 まあ、中宗の妻は、中宗の母との間に、いろいろ、あったからね。でも、やっぱり、自分が王の妻だったときに果たせなかったことは、息子が王位についてから、王の母として、遣り遂げるしか、しようがなかったんだね。 廃妃ユン氏だって、息子の燕山君が即位してから、燕山君が暴君として振る舞う、というかたちで、存分に復讐を遂げたわけである。 チャングムが、「王の母」の魔力にからめとられず、むしろ、「王の母」の無自覚で盲目的な暴威を止め、理性と愛情のある良き母に変わらせる、象徴的な場面がある。恩師シンイクピルの処方する薬を飲まなくなった中宗の母に、謎を出す場面だ。 「ある方の名を当てる謎でございます。その方は、古くからの食医でした。またその方は、一家の僕(しもべ)で、あらゆるつらい仕事をしましたが、また、家族全員の師匠でもありました。その方が生きている間は、この世は山でしたが、その方が亡くなると、この世は水に沈んだ、という伝説があります。どなたのことか、お答えください」 これが本来の母の愛というもの。チャングムは、わがままな「王の母」に、本来の母の愛の心を取り戻させる。しかし、そうやって命を助けてあげた「王の母」が、チャングムとミンジョンホとの仲を裂くのだ。 最後に、大長今は、自分の身分を回復してくれた、今の王の母、すなわち、中宗の妻だった文定王后、すなわち、「王の母」のいる宮廷から去って行く。「王の母」の魔力にからめとられないで、夫チョンホと娘ソホンとともに歩いていく。よかった、よかった。 |
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宮廷女官チャングムについて
宮廷女官チャングムの誓いについていろいろまとめてみました。 ...続きを見る |
チャングムの誓い、よかったですね!! 2006/12/09 15:42 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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第1話〜第48話は、まさに「宮廷女官チェ尚宮の闘い」でしたね。 |
スミレ博士 2007/01/03 12:11 |
スミレ博士さん、初めまして。「アタゴール」物語に出てくる、ヒデヨシ君の分身(?)スミレ博士を思い出すおなまえですが、あんな感じの愉快な方なんでしょうか? (^_^) 西洋では、白雪姫のお話に出てくるような魔女は、王の妻なんだけど、東洋では、王の母なんですね。この違いはなかなかおもしろいと思います。「大長今」は、母なる者の良い面、優しい面、悪い面、恐ろしい面、いろんなものがよく描かれていて、とても生命力に溢れていて、おもしろかったと思います。和田慎二の「ピグマリオ」の外伝みたいに、ハン尚宮とチェ尚宮が仲良くする話なんてのがあってもいいな、と思っています。 |
terutell 2007/01/03 23:11 |
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