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zoom RSS 厚生労働省の臓器移植についての審議会より

<<   作成日時 : 2005/11/06 13:15   >>

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2005年9月29日に開かれた、厚生労働省の臓器移植委員会の審議録が、11月2日にインターネット上に公開されました。
そのなかから、私が関心を持った部分を御紹介します。

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省:審議会、研究会等
http://www.mhlw.go.jp/shingi/index.html
厚生科学審議会
http://www.mhlw.go.jp/shingi/index.html#kousei
05/09/29 第21回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会議事録
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/txt/s0929-1.txt
厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会(第21回)
日時:平成17年9月29日(木)13:00〜15:00


日本臓器移植ネットワークの菊池耕三氏から、新しいデザインの臓器提供意思表示カードとリストバンドの説明。

肝臓腎臓同時移植についての説明。


《生体肝移植ドナーのアンケート調査についての報告》(重要!

東北大学の里見医師より説明。

日本肝移植研究会による生体肝移植ドナーの調査。

ドナーになる人:男女の比率は同じぐらい。当初は親から子へという例が多かったが、子から親へ、配偶者間、兄弟姉妹間がふえた。

再移植、再々移植もある。

レシピエントが亡くなった例が20%, 250名ある。

ドナーの肝臓(の一部)摘出手術後の症状は一年ぐらい残ることが多い。
4ヶ月〜1年の間に外来治療を受けた人が16.7%, 入院治療が2%ある。

ドナーの社会復帰:職業、学業、日常生活は、90%以上が回復しているが、一応の復帰には8週間、肝臓(の一部)摘出手術前と同じぐらい

になるには12週間ぐらいかかる例が多い。

ドナーの損害保険の要望がある。

ドナー外来のネットワークの構築を急ぐべきである。

臓器移植法における生体ドナー保護の規定が必要という意見もある。



《臓器移植法で生体ドナー保護の規定作成への賛否も含めて、生体移植にルール作成についての議論》重要!


○現行の日本移植学会の倫理指針や倫理委員会だけでは心もとない、という意見

町野朔上智大学法学部教授
 生体移植のルールは、現在日本移植学会の倫理指針で決まっているということですけれど、問題は、これだけで今十分かということです。一部には、やはり諸外国と同じように立法すべきだという意見もあったりします。生体移植についても法律をつくれという議論もありますけれども、そこまでもしいかないとしても、日本移植学会だけに任せてしまうのではなく、ほかの何らかの形でのルールづくりが必要かという思いもいたしますけれども、その点はいかがお考えでしょうか。

 その点は先生のおっしゃられるとおりですが、私も倫理委員会の指針というのをつくったときの委員の一人ですが、この指針がごく少数の人間でつくっているということなんです。このルールだけで、世の中の人に納得してもらえるだろうかということが、私たちはちょっと危惧するところです。

 倫理委員会で決めて、そこである範囲で決定するという、私はそれは1つの行き方だろうと思いますけれども、そのルールづくりについて、今のような格好でいいのかというのは、かなり危惧があるところがあります。

 大島先生の御質問ですけれども、何かアイディアがないかということなんですが、ノーアイディアというと格好が悪いのですけれども、この問題というのはやはり生体移植の問題というのは、言ってみると背に腹はかえられないという格好で出てきた問題ではあることは間違いない。一部の人たちではむしろこれを積極的に使うべきだと、脳死臓器移植については反対だと、脳死についてはやはり人の死ではなくてだめなんだ。だから積極的に生体移植の方を進めるべきだという見解も、一部にはあります。

 日本はそこまでは行ききらず、中間の非常に妙な段階に今あるわけです。人々の意識というのは、はっきりしていないところがあるんです。それをどう考えるかというのはやはり、死体臓器移植の問題、脳死臓器移植の問題を含めた上で、全体的に考えていかなければいけない問題だと思いますけれども。

 その生体臓器移植の問題を、言ってみると、倫理委員会のメンバーというのは、倫理指針をつくった人たちとほぼ同じなんですけれど、20人はいないと思います。かなり私は自分の立場も含めて、危ういところにいるなという感じはしています


○臓器移植法に生体移植ドナーの保護規定を作ることに反対という意見

大久保委員
 指針の話だと、恐らく今移植学会が出している生体に関する指針があります。それをもう少し公的なところで裏付けをつけた指針をつくってほしい。先ほど先生がおっしゃったように、移植医、移植施設によって、かなり考え方に差があります。恐らくそれと同一にはならないだろう。恐らくその施設の、倫理委員会の指針というのをつくって、うちはここまでしかやりません。うちはここまでやりますと。ということは、確実にそれを全部一緒にしろというわけにはいかないです。結果的にはやはり同じようなことが起こるのではないかというふうには思っています。

 今の移植学会の指針は、かなりゆるいというか、広いというか。今国会の方で、どちらかというと臓器移植自体に反対しているような議員が、生体移植に関する法律をつくった方がいいということで動いていますが、そういうのはかなり厳しい状況です。恐らく今、本当に生命が危い患者さんを目の前にしている御家族にとっては、もっと厳しい内容のものが出てくるのではないかと思うんです。
 指針をつくるということというか、ガイドラインで決めていくということも、非常に難しい作業なので、先ほどから町野先生もおっしゃっていたけれど、どういう方法が一番いいのかというのは、本当になかなか簡単には出ないような問題だと思います。私自身も、法律で規定するべきではなく、もう少し違うところで、こことは別の委員会をつくるべきなのかどうかわかりませんけれども、そういったもので広くたくさんの方の御意見を伺って検討した結果、出すものだというふうには思っています。法律自体の制定については、私は反対をしています。以上です。


○生体肝移植ドナー体験者の意見

鈴木清子
 それから先ほど町野先生がおっしゃった立法に絡んだ倫理指針のことですけれども、当事者として移植が必要な家族を目の前に、うろたえた経験から申し上げますが、必ず立法してほしいという意味ではありませんが、倫理指針という形だけでなく、もっと明確な形で、1つの基準があった場合の方が、家族が本当に問題に直面したときに、何を基準に判断するかという根拠の1つになるということは、確かですので。 移植学会の倫理指針だけではなくて、もう少し広く我々にとって、インパクトがあるようなものが示されていると良いのではと思います。それをガイドラインというのか、その法的な重みについてはわかりませんが。
 なぜかと申しますと、臓器移植提供者も結局のところ、目の前で困っている患者を見ながら意思決定をするわけです。そこに完全なる自由意思とか、だれにも左右されない完全な自己決定があるということは、これは幻想です。あらゆる条件が加味される中で意思決定がされていくのが現状ですので。やはり先ほど御心配をされたように、もう一段進んだ形で、少なくともこれは最低ラインであると、国としても認めているものだと。それに外れる場合においては、個々の施設及びほかの中央の審議会を経るというようなことが明らかでない限り、あそこの施設ではやってくれる。でもあの施設はだめだとか、あそこへ行けば倫理委員会は通るらしい等のように、今はネット上で、こういう情報が実際に飛び交っております。そしてここの倫理委員会はノーと言った。だからあっち行った方がいいというアドバイスまで行われているのが現状です。
 ですから最低限のものをやはり国として明文化していただくと同時に、学会の倫理指針ではないものの必要性を、どういったものかということは申し上げられなくてすいませんが、これは切実に感じるところであります。そうでないと、さまざまなことに照らし合わせて、家族内の弱い立場の者が、臓器提供の圧力を感じてしまう。実際に圧力があるという意味ではなくとも。感じてしまうケースが増え心配があります。
 また、今回の調査では全く出ていない金銭的な問題も、現実にはないとは言い切れないというのが、現状です。
 この報告書が、肝移植研究会及びその周辺の皆様方の御努力によって作られたということは大変ありがたいことだと思っています。この貴重な調査結果を踏まえて、日本の移植のこれからのあり方にもつなげていかれるよう登録制度や、学会倫理指針の検討の材料として、ぜひこちらの委員会でも活用していただけたらというふうに考えます。以上です。


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町野朔委員の次の認識は、非常に重要だと思います。

「私も倫理委員会の指針というのをつくったときの委員の一人ですが、この指針がごく少数の人間でつくっているということなんです。このルールだけで、世の中の人に納得してもらえるだろうか」
「生体臓器移植の問題を、言ってみると、倫理委員会のメンバーというのは、倫理指針をつくった人たちとほぼ同じなんですけれど、20人はいないと思います。かなり私は自分の立場も含めて、危ういところにいるなという感じはしています。」

また、自ら生体肝移植ドナー体験者であり、体験者の会の活動を続けている鈴木清子さんの御発言も、非常に貴重だと思いました。

「臓器移植提供者も結局のところ、目の前で困っている患者を見ながら意思決定をするわけです。そこに完全なる自由意思とか、だれにも左右されない完全な自己決定があるということは、これは幻想です。」
「最低限のものをやはり国として明文化していただくと同時に、学会の倫理指針ではないものの必要性を、どういったものかということは申し上げられなくてすいませんが、これは切実に感じるところであります。そうでないと、さまざまなことに照らし合わせて、家族内の弱い立場の者が、臓器提供の圧力を感じてしまう。実際に圧力があるという意味ではなくとも。」

私は、ほんとうの自己決定といのは幻想だという鈴木清子さんが、移植医療そのものには反対していない、という点が、非常に重要だと思います。
それが移植医療の矛盾のすべてだと思います。

脳死臓器移植でも。


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