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zoom RSS 与党議員から二つの臓器移植法改正案

<<   作成日時 : 2005/05/13 10:37   >>

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自民党・公明党の与党から、二つの臓器移植法改正案が提示されました。

一つは、自民党の河野太郎衆議院議員による、
「脳死を一律に死とし、本人の同意がなくても、家族の同意で臓器提供できる」改正案、
もう一つは、公明党の斉藤鉄夫衆議院議員による、
「12歳以上は、本人の事前の書面による同意と家族の同意があれば脳死臓器提供できる」改正案です。

河野議員の改正案は、2000年に、町野朔上智大学教授を中心とする、厚生省(現厚生労働省)研究班が提案した臓器移植法改正案(通称町野案)に、近い内容です。
町野案と河野案との違いは、河野案では、本人の事前の書面による指定があれば、親族に優先的に臓器提供できるとした点です。
町野朔氏は、ドナー候補者がレシピエントを指定することができるとする考え方に、真っ向から反対しています。

斉藤鉄夫衆議院議員の改正案は、2001年に、森岡正博大阪府立大学教授・杉本健郎びわこ学園園長(当時は関西医科大学助教授)が共同で提案した臓器移植法改正案と、ほとんど同じです。
森岡・杉本案の内容は、2003年の日本小児科学会の提言「小児脳死臓器移植はどうあるべきか」に生かされていると言えます。

*参照
提供12歳以上に引き下げ 臓器移植で公明議員が対案
(共同通信) - 5月11日16時57分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050511-00000123-kyodo-soci

臓器移植法:提供の意思表示12歳以上に 公明党が対案
毎日新聞 2005年5月12日 19時50分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/medical/news/20050513k0000m010067000c.html

臓器移植法改正に関する河野私案について
http://www.taro.org/activities/opinion/organ.html

厚生労働省研究班(町野朔氏ほか)の改正案(通称、町野案)
中間報告「『小児臓器移植』に向けての法改正 -- 二つの方向 -- 」
(町野朔 平成11年度公開シンポジゥム「厚生科学研究 免疫・アレルギー等研究事業(臓器移植部門) / 臓器移植の法的事項」、2000年2月18日)
http://www.lifestudies.org/jp/machino01.htm
最終報告「研究課題:臓器移植の法的事項に関する研究 -- 特に『小児臓器移植』に向けての法改正のあり方 -- 」 2000年8月22日
http://www.lifestudies.org/jp/machino02.htm

森岡正博案
「子どもの意思表示を前提とする臓器移植法改正案の提言」(森岡正博・杉本健郎共同提案、2001年2月14日)
http://www.lifestudies.org/jp/moriokasugimoto-an.htm
"A Proposal for Revision of the Organ Transplantation Law Based on A Child Donor’s Prior Declaration" Masahiro Morioka and Tateo Sugimoto, Eubios Journal of Asian and International Bioethics 11 (2001),108-110
http://www.lifestudies.org/transplantation01.html
「子どもにもドナーカードによるイエス、ノーの意思表示の道を」(『論座』2000年3・4月合併号)
http://www.lifestudies.org/jp/moriokasugimoto-an.htm
「臓器移植法・『本人の意思表示』原則は堅持せよ」(『世界』2000年10月号)
http://www.lifestudies.org/jp/noshi04.htm
「日本の『脳死』法は世界の最先端」(『中央公論』2001年2月号)
http://www.lifestudies.org/jp/noshiho01.htm
"Reconsidering Brain Death: A Lesson from Japan’s Fifteen Years of Experience"Hastings Center Report 31, no.4 (2001): 41-46.
http://www.lifestudies.org/reconsidering.html

日本小児科学会の提言「小児脳死臓器移植はどうあるべきか」(2003年4月26日 日本小児科学会)
http://plaza.umin.ac.jp/~jpeds/saisin.html#50

臓器移植法改正諸案の比較(2003年11月現在 2003.11.26. by てるてる)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~terutell/hyou200311.htm


なお、臓器移植法改正をめぐって、杉本健郎さんの掲示板で、以下の議論があります。

−脳死と移植−
http://web.kamogawa.ne.jp/~ichi/cre-k/sugibbs2/trees.cgi?log=

787 自殺を選びうる人に、「チャイルド・ドナーカード」とは失礼な
2005/5/12(木)21:46 - もりけん

 これまで杉本氏や日本小児科学会が「15歳未満であっても脳死臓器移植についての自己決定をなし得る」あるいは「12歳以上は自己決定をなし得る」としていた理由に得心が行かなかったが、年齢別死因の統計を見ていた ところ10〜14歳で自殺が第4位
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/13.html
とあったのをみて、杉本氏らの根拠とする知識とはズレていると想像するが、15歳未満も自己決定をなし得るとの主張が多少、理解できるようになった。

 「自殺しうる人は、すべて生命について深く考える機会を得た人だ」と短絡しては到底、言えない。しかし、考えが深くとも浅くとも、それぞれの人生において、最も重大かつ最終的な自己決定をされた方であることは、現実が示 している。

 もちろん5〜9歳の年齢層においても自殺があるから
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii01/deth2.html
臓器提供の自己決定において12歳を区切りにする論は、臓器を獲得したいがための便宜的すぎる主張と思う点は変わらない。


 自殺と臓器提供を関連づけて考えるのに、観念的には批判があろう。しかし以下1〜3の現実からは、関連づけるしかないのではないか。

1、神戸大学医学部附属病院の鶴田副院長は、「綜合看護」第39巻第4号で「脳死移植医療においては・・・・・・移植医にとっては移植できる可能性があれば、脳死判定前からその準備(循環動態のコントロール等)をしていく のは常識であり、そうしなければ成功しません。数日前から情報は飛び交います。しかし表向きはプロトコールにそった移植の流れで進められます。ドナーやレシピエントの家族は、当然このような舞台裏は知る由もありません」 と書いている。
http://fps01.plala.or.jp/~brainx/news2004-11.htm#20041115

2、救急医にも臓器摘出のため法的脳死の確定を待たずに、脳幹反射消失時点からのドナー管理を推奨し行った者がいる。
http://www6.plala.or.jp/brainx/donor_management.htm

3、脳死判定された後に自然治癒した症例が、無視できないほど多数ある。
http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery3_15.htm


 だから私は「臓器提供意思表示カードを持つのは、自殺を確実にしたい時だけ持つべき」と思う。実態が自殺であるのを、小児患者を守るべき小児科医たち、日本小児科学会が正そうともせずに、逆に推奨するのは職責を果た していないと弾劾しなければならない。

 さらに「チャイルド・ドナーカード」なるものの名称だ。最も重大かつ最終的な自己決定をなしうるのに、そのような自己決定を推奨されているのに、子ども扱いをされている。脳死および臓器提供について、わかりやすく説明され るべきことは成人も小児も変わらない。
 具体的に、どのような表現で、成人用の臓器提供意思表示カードとは別の体裁で、小児用カードが作成できるのか。そのカードも持って成長し、その後に成人用のカードを見た時に「騙された」と感じさせないで済むのか。

 そのようなチャイルド・カードを提示された子どもの身になって考えてはどうか。一身の重大な決定をする機会があり決定しうるならば、もはや子ども扱いは、されるべきではないのではないか。


788 re(1):自殺を選びうる人に、「チャイルド・ドナーカード」とは失礼な
2005/5/13(金)09:00 - てるてる


(前略)

以前、スギケン先生は、近頃の小児科では、18歳以上の重度障害者も診ていると、
日記に書いていらしたと思います。
また、別の小児科の先生が、シンポジウムで、小児科で診るのは、
老化が始まる前まで、とおっしゃっていたのを聞いたことがあります。
「小児科」が失礼な表現でないのと同様に、
「チャイルド」という表現が失礼だとは思いません。

そもそも、チャイルド・ドナー・カードの主旨は、日本小児科学会でどこまで
貫徹されているのか知りませんが、もともと、森岡・杉本案で提案されたときには、
こどもの「自己決定」ではなくて「意見表明権」を体現したものとなっていました。
森岡正博さんがこれまでにいくつもの論文で主張されてきています。
森岡さんのサイトに行って確かめてこられればよいと思います。

ちなみに、てるてる案でも、こども用の臓器提供意思表示カードをつくるべきと書いています。
それは、漢字の表記など、表現をやさしくするもので、
取り立てて、おとなと別の内容にすることは考えていません。
そういうカードを作るのはむずかしいだろうと思いますが、それでも、作るべきです。

おとなだってよくわかっていないのです。
今でも、2ちゃんねるで、脳死・臓器移植や、植物状態の人の安楽死・尊厳死のニュースが
取り上げられるたびに、脳死と植物状態を混同している投稿があり、さらに、
自分がそのどちらの状態になっても治療を受けたくない、死なせてほしい、という意見を、
脳死と植物状態を混同したままで表明している投稿があります。

おとな用であれ、こども用であれ、脳死と植物状態とは違うこと、しかし両者のグレーソーンが
あること、植物状態の安楽死・尊厳死、脳死の治療停止、あるいは反対に脳死の治療継続に
ついては、多くの人々の意見が分かれ、すべての人に適用できる「正解」はないこと、
などを、前提として明記しておく必要があるのではないかと思います。

私は、レシピエント候補者となる人々は、おとなでもこどもでも、
以下のことを質問されるべきだと思います。
脳死が死でなくても、本人の同意があれば臓器提供を受けたいか、
脳死が死でなくても、本人の同意がなくても、家族の同意があれば臓器提供を受けたいか、
脳死が死であれば、本人の同意がなくても、家族の同意があれば臓器提供を受けたいか、
脳死が死であっても、本人の同意があるときだけ、臓器提供を受けたいか。

レシピエント候補登録カードを作って、上記の4点について、
自分の意思を明記しておくべきではないかと思います。

幼いレシピエント候補者の場合、本人の意思はわからないと付言して、
親などの養育者・保護者が、このこどもに移植手術を受けさせたいが、
上記の4点についてどう思うかを明記しておけばよいと思います。

海外に渡航移植を受けに行く人々にも、同じ質問をし、回答を明記したカードを
持ってもらうべきです。


上記で、てるてるは、レシピエント候補者に脳死・臓器提供についての考えを質問することを提案しています。この条件は、2000年発表のてるてる案では、提案していませんでした。しかし別に、もしドナー家族が会いたいと言ってきたら会ってもよいという人だけがレシピエントの登録をするほうがよい、という提案をしています。この提案は、今も除くつもりはありません。

てるてる案
「脳死否定論に基づく臓器移植法改正案について」(『現代文明学研究』第3号、2000年10月19日)
http://www.kinokopress.com/civil/0302.htm

てるてる案では、成人は、本人の事前の書面による同意で、未成年は、本人と、親などの養育者と両方の同意で、臓器提供できるとしています。


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ドナー家族とレシピエントとの交流について
*参照 与党議員から二つの臓器移植法改正案 http://terutell.at.webry.info/200505/article_11.html ...続きを見る
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