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zoom RSS 臓器移植法改正について神戸新聞の社説

<<   作成日時 : 2005/04/30 12:07   >>

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神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu05/0430ja32200.html
2005/04/30
臓器移植法/生前の意思は動かせない

 脳死は人の死かと問われ、考え込む人も多いはずだ。実際、脳死状態の人の心臓は動き、体には温もりがある。

 多くの日本人は心臓の鼓動が停止して初めて死を実感し、受け入れてきた。

 ところが心臓などの臓器移植は、心臓の鼓動が停止してからでは遅い。そこで、ときどきある“一歩手前”の脳死状態で臓器を摘出できるようにしたのが、一九九七年十月に施行された臓器移植法である。

 この法律によって、生前、臓器提供の意思を表明し、家族も同意した人に限り脳死を死と認め、臓器摘出が可能になった。

 これまで、法律に基づいて行われた臓器移植は三十六例を数える。

 ただ、意思表示できるのは十五歳以上に限られ、その年代に達していない移植適用者は救済されないという問題を残す。

 とくに、心臓は体重で大きさが異なり、成人から小児への移植は不可能に近い。

 そこで今、自民、公明両党の議員検討会を中心に法改正の動きが強まっている。

 検討会の案は脳死を一律に人の死とし、臓器提供に関する条文を「本人の意思」ではなく「家族の意思」、つまり家族の代理承諾へ変更しようというものだ。五月末にも国会へ提出を目指している。

 この案に沿えば、小児の移植適用者へ臓器提供も可能になる。本人の意思とは関係なく脳死と認定されるようになれば、脳死移植の数は今より増えるかもしれない。

 しかし、なぜ脳死を一律に人の死と決められるのか。国民の意識は熟しているだろうか。そうとは思えない。

 脳死問題は、日本医師会や日弁連など各界が論議を重ねたが、容易に結論を出せなかった。脳死臨調が組織され、その最終報告書に基づいて立法化された。脳死と心臓死の選択を個別に委ね、ぎりぎりの妥協点を見つけるのに十余年の年月を要した。

 相反する価値観の中で移植に道を開いた現在の法律は、十分、尊重に値する。

 検討会の案は、そうした議論や経緯に対する敬意や配慮に欠けている。

 家族への優先提供を認めようとしていることも、臓器配分の公平性・透明性をうたった法の精神に反し、容認しがたい。

 といって小児への移植が閉ざされている現状は、ベストとはいえない。両党の有志の会は、現行法の考え方を維持しつつ、小児への移植を可能にする案を示した。本人の意思を前提に十二歳以上の提供を容認した、小児科学会の案もある。

 壁は厚いが、現行法に則して小児の移植に道を開く妥協点を探ってほしい。

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2003/06/26
小児脳死移植/議論を前に進めるときだ

 重い心臓病の子供が、心臓移植を受けるために海外へ渡る。そんなニュースを聞かされるたびに複雑な思いにとらわれる。

 臓器移植法により国内での脳死移植が可能になりながら、十五歳未満の子供の臓器提供の道が閉ざされているため、海外で移植を待たざるを得ない現実の問題と、そのために過大な精神的苦痛、経済的負担を強いられる家族のことが思いやられるからだ。法律ができたにもかかわらず、外国に臓器を頼っている状況を、いつまでも放置しておけない。

 日本小児科学会が子供の人権を守るための環境整備を前提に、子供からの脳死移植を容認する提言を発表したことは、この問題を真剣に考えるきっかけになる。

 九七年十月に施行された現行法は、提供者本人の書面による意思表示を絶対条件としている。このため民法上で遺言の有効性が認められない十五歳未満は意思表示が無効とされ、臓器提供ができない。

 とくに心臓は、体の大きさに合ったものを移植しなければならず、現在の法律では体格の小さい子供への移植が、ほとんど不可能になっている。

 提言は、子供が海外で心臓移植を受けている実情を「厳粛に受け止めている」とし、小児の脳死移植を認める前提として(1)子供本人の意思を記すドナーカードの導入(2)子供への死に関する教育の拡充(3)虐待児からの移植を防ぐ専門的な調査機関の設置などの方策を取るよう求めている。

 子供の脳死移植については、自民党内で議員立法の動きもある。今回の提言も含め国民の理解を深める形で、議論を前に進めてほしい。

 ただ、本格的な論議に入る前に押さえておかなければならない問題がある。

 ドナーになる可能性があるのは、交通事故や病気で脳死状態となる子供たちだ。

 日本では小児科医の不足が深刻で、小児集中治療室の施設も十分とはいえない。法改正論議と同時に、小児の救命体制を充実させなければ、臓器を必要とする患者のための議論と誤解されかねまい。

 一歳未満の幼児の心臓が、脳死から約十カ月間動き続けた例もあり、小児の脳死判定をめぐる徹底した議論・検証も欠かせない。ドナーとなる家族を精神的に支える体制の整備も、大きな課題だ。

 小児の脳死移植を認める条件として、家族承諾に加え、臓器提供の可否を個別判断する専門機関を設ける、親からの申し出に限る、といった専門家の意見もある。いま必要なのは、慎重で大胆な論議だ。

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日本小児科学会の提言「小児脳死臓器移植はどうあるべきか」
http://plaza.umin.ac.jp/~jpeds/saisin.html#50
2003年4月26日
日本小児科学会小児脳死臓器移植検討委員会


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