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zoom RSS 与党の臓器移植法改正案についてドナー側の意見

<<   作成日時 : 2005/04/23 16:05   >>

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2005年4月21日〜22日、全国紙・地方紙に、自民党・公明党が来月にも国会に提出する予定の臓器移植法改正案が掲載された。
ここでは神戸新聞の記事を転載する。
続いて、小児科医杉本健郎さんの掲示板に投稿された、「全国交通事故遺族の会」の会員の意見を転載する。
最後に、私と、生体肝移植ドナー体験者の方とのメールのやりとりから、関連する内容を紹介する。

(1)神戸新聞2005年(平成17年)4月22日金曜日第2面より
【脳死は一律「人の死」】
[臓器移植法改正・提供条件大幅緩和に自公同意]
家族同意で判定、摘出可能

 脳死臓器移植の推進を目指し自民、公明両党の議員でつくる検討会は二十一日「本人が拒否していない限り、家族の同意で脳死判定と臓器提供ができる」と、提供条件を大幅に緩和する臓器移植法改正案で、ほぼ合意した。
 現行法は、判定、提供ともに本人の書面による意思表示が必要とし、臓器提供する場合のみ脳死を人の死と位置付けている。改正案では、「脳死は一律に人の死」となるが、家族が脳死判定を拒否する権利を認め、判定されないことで死としない選択肢を残した。
 検討会の河野太郎衆院議員(自民)らは、二十八日の次回検討会で正式合意、両党がそれぞれ検討、5月の連休明けの国会提出を目指すとしている。
 改正案通りだと、提供数は増加、現在は認められていない十五歳未満からの臓器摘出も可能になり、大人の大きな臓器を移植できない小児患者に道を開くことになる。
 しかし、現行法の根幹である「本人の提供意思」を不要にする内容だけに、このまま成立するかどうかは不透明だ。
 改正案では、虐待を受けた小児から摘出されないよう、政府は必要な措置を講ずるとした不足を追加、また、提供意思の有無を運転免許証と健康保険証に記載できるようにするなど、移植医療の啓発、知識普及に必要な施策を取るとした。
 改正案では、親族への臓器提供を事実上認めたが「臓器の公平配分の原則に反する」との批判があることを考慮し、改正案に盛り込むかどうか、さらに検討することになった。
 検討会は三月の初会合以来、五回にわたり患者団体や日本小児科学会、日弁連、有識者などから意見を聴いてきた。

「納得できる内容だ」(臓器移植患者団体連絡会の大久保通方代表幹事の話)
 患者団体として納得できる内容だ。ただ、国会で成立するまでは油断できない。改正に反対する動きや、関心がない国会議員もいる。一日も早い改正に向け、各議員に改正の重要性を訴えたり国会へ陳情したりするなど、気を引き締めて取り組みたい。

「論議無視した暴論」(「脳死と臓器移植法」などの著作がある作家中島みちさんの話)
 臓器移植法成立までの約十四年にわたる、脳死が人の死かどうかをめぐる国民的論議を無視した暴論だ。今の法律は、相反する価値観の中でやっと移植に道を開いた素晴らしい法律。それなのに本人意思もなしに、なぜ突然、脳死と一律に人の死と法律で決め付けてしまえるのか、法的根拠が理解できない。根本的な問題があるのに、脳死判定を家族が拒否できると言われても、次元の違う問題で、理解に苦しむ。


(2)小児科医杉本健郎さんの掲示板「脳死と移植」より「全国交通事故遺族の会」の会員の意見
http://web.kamogawa.ne.jp/~ichi/cre-k/sugibbs2/trees.cgi?log=
765 「臓器移植検討会」ヒアリング 2005/4/17(日)22:14
770 re(1):「臓器移植検討会」ヒアリング 2005/4/19(火)20:33

「全国交通事故遺族の会」では、4月5日に与党内「臓器移植検討会」へ参加して「改正」反対を表明した他、4月12日に公明党厚生労働部会でも同様の意見を表明しました。

(中略)

4月5日より13日まで、4回に分けて「臓器移植検討会」より関係各団体に対してヒアリングが行われました。私が参加したのは初回の
4月5日、参議院会館第五会議室で15時から17時まで行われたものです。一連のヒアリングの参加者についてはその主張と合わせて一
部新聞報道されていますが、4月5日の参加者は次のとおりです。

4月5日:国際移植者組織TRIOジャパン、全国交通事故遺族の会、
     日本患者・家族団体協議会、社団法人日本小児科学会、
     町野朔上智大学教授、丸山英二神戸大学教授

「臓器移植検討会」からは5人の国会議員が参加されていたと思いますが、私が名刺をいただいたのは、佐藤泰三議員(「臓器移植検討会」会長)、福島豊議員、河野太郎議員の3人の方だけです。他に、厚労省から、「臓器移植対策室」の方だと思いますが、数名が出席しました(発言はありません)。

以下、参加した私の感想を交えて記録しておきたいと思いますが、まず、遺族の会以外の参加者がすべて「脳死は人の死」を当然の前提と
して意見を述べてゆくこと、また、自分がなぜ「脳死は人の死」だと思うのか、その理由についてはおよそ言わないままであることに、私
は非常に驚きました。

現行法の意味と意義、またその位置づけ(後述します)はどのように理解されているのか、そもそも法とはいったい何なのか、今思い返し
てみても、疑問はふくれあがるばかりです。「脳死は人の死」と、その理由も述べられないまま当たり前に進んでゆく意見表明には、私は、ほとんど不気味といってよいほどの冷たさを感じざるを得ませんでした。不法な暴力で生命を奪われていった私たちの家族は、およそおきざりにされていました。犯罪被害者でもなく、死者ですらありませんでした。飽くまで「臓器」でした。

交通犯罪の被害者遺族にとって、人間不在の法"理念"というのは多くの刑事・民事法廷で痛感することではありますが、当事者からする
こうした無念・痛恨は、追いつめられた挙げ句の叫び声を上げたとして、いったい、誰の【心】に届くのだろう、、、、。

「改正」を検討する議員の方達は、何よりもまず、国民のための法を作ってゆくことを念頭において議論されているはずだと思うし、実際、議事を進行した佐藤泰三議員には誠実に対応戴いたとも思います。また、福島豊議員には、その後、公明党厚生労働部会でも同様の意見陳述の機会を戴くことができました。それでも、あの場の意見表明の雰囲気は何とも不気味で冷たいものでした。国会議員の方達の【心】が、国民の命を置き去りにした本末転倒の政策に対する恐怖や疑問を共有して下さるようにと願って止みません。

なぜって、何かが、どこかが、決定的におかしいのです。

先取りしてしまいますと、ヒアリング最後になって小児科学会から、たった一言、次の発言が出たのですが、これについて、私は、何とも
言えず複雑な思いです。

「実は、脳死状態のまま3年、4年、5年と平気で生存している子どもさんというのは、ウチにもたくさんいます。有機的統合性ということからする脳死の概念に問題があるというのは確かです」

小児科学会の見解については既に公表されていますし、小児科学会から「臓器移植検討会」に提出された資料も公開されているもので、そ
こにはこうしたお子さん達のことも書かれています。しかし、「臓器移植検討会」でこれを冒頭に言わないのは、どうした事情によるもの
なのでしょう? (中略)

何よりもまず生身の人間である「脳死」患者について触れたのは、「脳死」の家族を持つ私たちと、この小児科学会のたった一言だけ、
本当に、これだけだったんです。

マスコミも、こうしたお子さん達の存在についてはなかなか触れませんね。「遺族」になってしまった私たちは反対運動をする中で「死ん
じゃってるじゃん」等と言われて、刑事・民事法廷以上に不気味な「死人に口無し」を憤るけれど、そして、死亡事故ゼロへの決意を新
たにして先に逝った家族に誓いもするけれど、今このときも傷ついた小さな体の全身で生きているお子さん達のことは、、、、、、、、、
誰も触れたくないのでしょうか? 「遺族」の私たちからすると、それは、ちょっと、いくら何でもあんまりなんじゃないかと思われてな
りません。

「遺族」は飽くまで遺族であって、現実にそうしたお子さんを介護されている方のことには踏み込めません。けれど、私たちの家族がそん
な風にして医師にとって「いないもの」にされていったのだろうかと思うと、これはもう、何ともおそろしいのです。今さら何をやったっ
て、私たちの家族は帰ってきません。時々、どうしようもなく空しいです。そうした中で声を挙げて、その挙げた先の場にいた医療者が、
なぜ?どうして?と思ってしまうのを私にはどうにも止められません。

道路に頭部を叩きつけられれば、コキーン!と、ほとんど金属的な音がします。どんな力、どんな運動か、事故は千差万別ではありますが、とにかくそんな力学で「管だらけ」にされ、「脳死」にされた瀕死の家族に、次々と無慈悲で残酷な手が伸びてくるような気がしてならなかった。思い出せば今も震えが止まりません。

(中略)

遺族の会では、「脳死」状態を経て心停止に至った家族を看取った経験から「脳死」は死とは認められないこと、救命医療の徹底がおろそかになる実態を看過できないこと、交通犯罪は撲滅されるべきものであってドナーの供給機構のように見なされるべきではないこと、犯罪被害者の権利が全く考慮されていないこと、また、臓器を提供した遺族に激しい後悔と罪責があることなどから、「改正」反対を訴えました。

そして、「脳死」は死ではないという米国の最近の知見について、シューモンとトルーグの論文を紹介し(死でないから、、、の挙げ句の主張は全く違っていますが)、会田薫子氏の報告、小松美彦先生の著書等もあわせて紹介しています。

(中略)

「脳死」にされた家族こそが大切であり、その家族の命と尊厳を守り、死亡事故・重大事故を無くしてゆくために「改正」への反対運動をしています。それが、すべてです。

あたたかな血が通い、呼びかけて頬を押しつければ涙を流す、苦痛の中から渾身の力を込めて手を握ってもくれたボロボロの家族の姿が胸の奥底にあざやかに焼きついています。それは、私たちが、どこを探しても家族のいないこの世を手探りで生きてゆくのに、文字通り命綱のようにして大事に握りしめているものなのです。

どこまでも、どこまでも、それが根っこにあります。たとえ、「科学的には死です」と、容易に歯の立たぬ硬質な論理と実証で示されたとしても、その根っこは失せません。死は科学のみで語れるものではないからです。

けれども、現行法制定の経緯からすれば、「脳死は死とはいえない」という現在の科学的事実(学術論文等有効な反論が出ておらず、法医学分野からする「脳死=人の死」は純粋科学的なものではない、"考え方"のひとつですね)が「改正」に当たって考慮されないのは、ごくごく素朴なところで、非常に大きな疑問です。

なぜ?

"根っこ"は「少数意見」にくっつけただけで、あとは科学を振りかざして決めた現行法を「改正」するのに、今度は科学も何もかもすっ飛ばして「脳死は死」「死体」「脳死体」がぽんぽん連発されるというのは、本当に、命を大切にするための問題解決なんだろうか、、、、。

まして、今も、どこかで事故が起こって、「脳死」状態に陥る人がいるかもしれない。どこかの病院で、家族が極度の混乱の中で悲しみの淵に立たされているのかもしれないのに、、、。「脳死」にすら至らず即死する交通事故死者(24時間死者)は毎日20人です。交通犯罪を温存したまま、ドナー家族・遺族の悲嘆ケアを充実させればよい等というものではありません。

(中略)

小児科学会の「長期生存している脳死のお子さんはウチにもたくさんいる」の発言は、質疑応答の最後になって、「遺族の会」のしつこい(?)主張に対して唯一応答して下さる形でなされたため公開したものですが、こちらの掲示板でそうしたお子さんを実際に育てておられる方のことを知った後の私には、それを聞いて、一抹、ほっとするものがあったのと同時に、今もまだ、何とも複雑な気持がしています。ターミナルケアや看取りの心情といった問題におさまらない、とても大事なことのはずなのですが、、、、。


774 シューモン医師が来日するのですね 2005/4/22(金)22:25 - スギケン

5月17日国会の議員会館でUCLAのシューモン医師が講演するそうです。
シューモンさんは僕と同じ方面が専門の小児神経専門医です。
20年以上在宅長期脳死の状態の人を支援してきたことでも有名です。



(3)生体肝移植ドナー体験者の方とのメールでのやりとりから
4月22日のメールでは、生体肝移植ドナー体験者の方々のなかには、レシピエントの夫が亡くなった後、投薬と通院を続けながら医療費返済と家計維持のために働いているドナーの女性、また体の引き攣れが強くなっている女性がいるとのことである。
そのような近況報告の後で、以下のやりとりがあった。

てるてる:いよいよ臓器移植法改正案が国会に提出されるように、けさも神戸新聞に載っていました。生体移植ドナー保護のための法規定については触れられていません。マスコミは一応、自民党の発表だけでなく、移植患者団体の大久保さんの意見や中島みちさんの意見も載せてはいますが、さらに、生体移植ドナー保護や異状死の扱いなども、取り上げてほしいものだと思います。

「生体肝移植ドナー体験者の会」のSさん:
「臓器移植法改正に取り組んで下さっている議員さん達といえども、生体肝移植ドナーの置かれている現状や、彼らに必要なケアがどういったものであるかということに関しては、これまで具体的な情報を得ることが出来なかったことは確かなので、

(昨年ようやく全国規模の生体肝移植ドナー調査が行われこのほど正式な報告書としてまとめられました。これは移植開始16年目にして始めての試み。)

今回行われたドナー調査結果を深くご理解いただくことを求めると同時に、やはり「生体ドナー」全般の法的保護の必要性を今後もあきらめないで訴えていくつもりです。

これは個人的な意見ですが、私自身も移植が必要な患者を抱えた経験があるので 患者団体側の想いは痛いほど解かるのですが、脳死でも生体でも移植医療というものは「提供者」側への配慮が何にも増して優先された上で、初めてその価値が光るものではないかと思っています。
大げさなものはいらないかもしれませんが、提供者本人の意思を軽んじる提供が大手を振って認められてよいはずはないと思いますし、提供という行為が真に当事者サイドにとっても喜びとなることが守られない限り、移植医療への理解を社会から頂くことは難しいと思います。




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【ミラクル介護日記】 ターミナルケア
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2008/02/25 11:04

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