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zoom RSS 『月刊現代』2004年6月号(講談社)、『論座』2004年6月号(朝日新聞社)

<<   作成日時 : 2004/05/06 19:56   >>

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『月刊現代』2004年6月号(講談社)、『論座』2004年6月号(朝日新聞社)に、イラクでの日本人拘束事件についての巻頭記事や特集が載っているので、それぞれの感想と簡単な紹介を書いてみます。


(1)『月刊現代』2004年6月号(講談社)
巻頭記事
「[緊急寄稿]〜人質事件と内戦激化に見る真実〜小泉イラク派兵『狂ったシナリオ』」立花隆著、p.28-41.
(感想)
人質にとられた5人の日本人のなかで、特に、高遠菜穂子さんの活躍をよく紹介しています。そのなかで私は、彼女は政治的な人ではなく、むしろ、スピリチュアルな人である、という指摘に、合点がいきました。高遠さんが聖職者協会で拘束を解かれたときはまだ元気だったのに、日本に帰ってくると非難の激しさにすっかり傷ついてしまったことや、若い頃に大麻を常用していたこともあること、また、マザーテレサのもとでボランティア修行をしたことなど、どれも、腑に落ちました。
立花隆は、サマワの自衛隊の現状や、日本人を拘束した武装グループはイラクの人々の立場からはレジスタンスなのに、小泉首相が「テロリスト」と呼んだためにアラブ諸国から反感を買ってしまったことなどを説明しています。サマワの人々は初め自衛隊はエンジニアと医者と建設会社の人だと思い込んでいて、東京みたいなハイテクな街にしてくれると期待していたのが、裏切られてしまった、と。


特集「待ったなしの憲法談義」
「〜9条の『理念と矛盾』が問いかける正念場〜経済人はイラク戦争に責任を自覚するか」寺島実郎(日本総合研究所理事長)、(聞き手)斎藤貴男


(2)『論座』2004年6月号(朝日新聞社)
巻頭特集「泥沼イラク どうする日本」p.8-101.

巻頭記事
「人質は誰の身代わりだったのか〜自衛隊派遣の不幸な代償〜」綿井健陽著、写真、p.8-19.
(感想)
改めて、郡山総一郎さんや安田純平さんでなくて綿井健陽さんが拘束されていても不思議ではなかったんだな、と思いました。綿井さんはバグダッドとファルージャの間にあるアルグレイブの路上で襲撃され炎上するタンクローリーの写真を撮っています。この写真を撮っているとき、周囲には、あの郡山さんや安田さんを拘束したグループと同じように銃を手にした人々がいました。彼らはファルージャに向かっており、USAの兵士たちとにらみあっていました。綿井さんが彼らをビデオカメラに撮っていると、石を投げられて、退散せねばなりませんでした。石を投げられる直前に撮ったと思われる群集の写真も載っています。

このときも、今も、イラクには、危険に曝されながら、報道を続けている人々がいます。拘束されずにいる人々は、幸運とクレバーさとを両方持ち合わせているのでしょう。日本人に限らず、今回、拘束されまた解放された人々が、この次は、拘束されないクレバーさと強運とを身に着けられるように、拘束された人自身の行動を批判的に検証することは重要であり必要です。しかし拘束されたことを「自己責任」「自業自得」などといって非難するのは筋違いです。それよりも、そもそも拘束されるような状況のもととなった大状況、USAとイラクと日本の関係を洗い直し、問い直し、修正していくことのほうがたいせつです。

今回、拘束された日本人は無事に解放されました。郡山さん・安田さん・今井紀明さんなどの話によると、武装グループの背後には、穏やかで豊かな農村の暮らしがありました。武装グループは、家族の誰彼を殺された人々が中心だけど、それでもまだ、人質それぞれの活動を知り、彼らの家族の涙をアルジャジーラのテレビで見て、聖職者協会の呼びかけに耳を傾け、無益な殺生を控える余裕がありました。しかし、この農村の暮らしが、USAの占領・攻撃によって破壊され、もっと多くの人々が殺されてしまったら、今度こそ、武装グループは冷酷非情なテロリスト集団となってしまうでしょう。
彼らはまだテロリストではない。けれども、これからの日本の政策如何によって日本を標的にしたテロリストになる可能性があります。

*参照
綿井健陽さんのホームページより
http://www1.odn.ne.jp/watai/
【4月14日=バグダッド発 弱いものいじめ】
彼ら人質は、いったいだれの身代わりなんだ?

度々映像に映し出される、目隠しされた彼らの姿の中に、自分自身の姿は少しでも重ならないのか?、そして、武器を持つ男たちの姿の背後に、自分たちが住む日本の社会の光景がわずかでも見出だせないのか?

人質の3人は、単に武装グループから銃を突きつけられているのではない。目隠しされているのでもない。

これは日本政府と、その政府の中にいる人間を選挙で選んだ日本人そのものに突きつけてられている、極めて重い問いかけだ。あの「二者択一」の要求を受け入れるか、受け入れないかという単純な問題ではない。


*参照
「彼ら人質は、いったいだれの身代わりなんだ?」(綿井健陽さん)
http://terutell.at.webry.info/200404/article_5.html


鼎談
「アメリカの誤算 打開の道はどこに」藤原帰一(東京大学教授)、酒井啓子(アジア経済研究所地域研究センター参事)、高橋和夫(放送大学助教授)p.20-35.
(抜粋)
藤原帰一「アルジャジーラのホームページの英語版は、『ファルージャの悲劇』を毎日のように伝えている。アメリカが『停戦』と言っているものは、ファルージャの報道では『日々犠牲者が生まれている状態』とされている。」
藤原帰一「さらに、日本政府にとっての問題は、イラクでどのような貢献をするかではなくて、日米関係の安定でした。」
酒井啓子「イラクからの撤退というよりは、米軍の占領状態自体はけしからんという議論はもちろんあるわけですが、実際に彼らが要求していることは、自分の日常生活の中から米軍がいなくなってほしい、しかし治安維持はしてほしいということです。要するに治安維持を求めているのであって、みずからの日常生活の侵害をやめてほしいと言っているんです。米軍の駐留を求める声と米軍に対する反発は、その一点で完全に共存するものなんですね。」
酒井啓子「日本を含めて、アメリカができないことをやれる余地は、イラク国内の穏健派や各地域で政治的な調整能力がある部分を、いかにバックアップできるような形にするかということです。日本政府がファルージャの包囲を解く方向でアメリカを説得しようという姿勢を国際社会に見せれば、穏健派が言っていることが国際社会を動かす要因になるんだということで彼らの調停能力は上がるわけです。」

*参照
Aljazeera.Net English
http://english.aljazeera.net/HomePage


「人質事件で露呈した日本の国際平和協力の限界〜『新しいイラク』の構築を〜」篠田英朗(広島大学平和科学研究センター助手)著、p.36-47.
(要点)
小泉首相は人質解放において、日本政府と関係各国(つまり米国)だけを称えて謝意を表わし、イラクの聖職者協会や、アルジャジーラに出演した人質の家族や市民団体職員や、デモ・署名をした支援者や、高遠菜穂子さんに支援されていた路上生活の少年たちを含むイラク人たちの努力・協力には、感謝も賛辞も送らなかった。


「日本への友好感情と信頼を失ってはならない〜米軍と武装勢力の対決を乗り越えて〜」山内昌之(東京大学教授)著、p.48-51.
(要点)
日本は明治維新以来、多くの先人の努力により、アラブ諸国と友好関係を築いてきた。


「ブッシュ単独覇権主義の破綻と日本〜イラク後の世界にどう生きるか〜」寺島実郎(日本総合研究所理事長)著、p.52-55.
(要点)
自衛隊派遣以外の現実的対案として、災害復旧支援などを目的とする「国際平和協力隊」を発展的に充実させ、内閣府の下に、防衛庁、警察庁、消防庁、外務省、赤十字からの出向者とNGOなどから成る組織を準備し、様々な専門性を注入して国連や派遣先の要請に基づき人道支援のために派遣する。

「だから私は反対だった〜自衛隊派遣三ヶ月目を機に見直しを〜」加藤紘一(衆議院議員、元自民党幹事長)著、p.56-59.

「求められる国民的常識の成熟」中西寛(京都大学教授、国際政治学)著、p.60-63.

「自衛隊派遣の継続が米国への影響力を強める」村田晃嗣(同志社大学教授)著、p.64-67.


「ジャーナリストもNGOもいずれ資格制度が必要になる」森本敏(拓殖大学教授)著、p.68-69.
(抜粋)
また、今回の場合は彼らの家族の対応も目に余った。最後になって盛んに謝っておられたが、それは世間の反発を招いた結果としてバッシングを避けるためにとった自衛措置でしかない。彼らの態度は事件発生から解放まで終始、政府と対決姿勢である。政府に例を言うでなく、敬意を払うでなく、政府がやって当然というこの態度は不可解であった。『総理に会わせろ』『情報を提供しろ』とはよく言ったものだ。普通であれば世間に顔向けできないのが常識である。それが平気で記者会見を毎日やって、政府批判をするなどは、これが現代の日本人の実体なのかと思うと情けなくなる。


特集「弱さと共に生きる」
「弱さが照らす日常」徳永進(「野の花診療所」医師)著、p.220-232.
(抜粋)
なぜ<弱い人>と思われる人たちにいらだちや怒りを覚えるのか、コミュニケーションが途絶するのはなぜか。そのことを考え、整理し、咀嚼できるようにしておかないと、<弱い人>への大切な援助は成立しにくい。そう思って、医療者の立場で、難渋するターミナルケアの場の患者さんたちを、いくつかに分類してみた。
(中略)
(5)必死すぎる家族。このことが難しい。家族にはそうする権利がある、と思わねばならないだろう。家族がこちらを責める時、それを許し、認められるようにならなければならないが、難しい。家族がない時、なぜかトラブルは生じにくい。
(中略)
難渋する症例は、医療者の実力によって大きく変わる。この分類をした目的は、臨床の場でトラブルに直面した時、怒らず、逃げず、このトラブルは何番のトラブルに分類できるね、と野球でいえばキャッチャーのようにして、その球をまず受け止めるためである。解決法は改めて、一つ一つ、その時、その場で考えよう。



*参照
アピール、そして、Yahoo!掲示板
http://terutell.at.webry.info/200405/article_4.html

イラクのブロガーたちは人質事件をどう見たか [ウェブログ]by 松永英明 2004年04月21日02:25
http://kotonoha.main.jp/2004/04/21iraq.html


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